「ポケットベルのサービスが終了」との報道を目にし、懐かしさを感じた。約20年前までは本社でもサービスを利用していたもので、電子機器の進化スピードをあらためて実感させられた▲ポケットベル（通称・ポケベル）は、電波で小型の液晶端末にデータを送信するもので、特定の番号に電話をするとメッセージが送れる無線呼び出しサービス▲１９６８年に日本電信電話公社が開始し、96年には契約数が１千万件を超え、平成当初を象徴した電子機器。また、数字の語呂合わせでメッセージを送るなど、若者のコミュニケーションツールとしても人気を集めた▲だが、携帯電話やスマートフォンなどの普及により、契約者が減少。加えて、全国利用者が1500人を切る状況となったため、全国で唯一サービスを展開していた東京テレメッセージが、来年９月末でサービスを終了することを発表。約50年の歴史に幕を下ろすこととなり、現在も利用されている人たちにとっては残念な発表だ▲一方で、ポケベルに代わって進化を続けているのがスマホだ。驚くべきスピードで進化を続けており、毎年、携帯電話会社が新機種を次々の発売している。インターネット関連も含めて電子機器の深化と進化はどこまで続き、ゴールはあるのだろうか。

世界中のサッカーファンが楽しみにしているクラブチーム世界一を決める「クラブワールドカップ」の日程などが決まった。今大会は、12月12日から22日までアラブ首長国連邦で開催される予定で、試合を観るのが待ち遠しく感じる▲ヨーロッパ、南米、北中米、オセアニア、アフリカ、アジアの世界６大陸のクラブチーム王者が一発勝負のトーナメントで激突し、真の世界王者を決める大会だ▲予選が終わっていない大陸もあるため、全ての出場チームは出そろっていないが、世界屈指の強豪クラブがひしめくヨーロッパ予選は終了。同カップ３連覇を目指すスペインのレアル・マドリードが出場することとなっており、最も注目されているチームだ▲わが日本を含むアジア大陸は予選中で、日本のクラブチームは鹿島アントラーズが勝ち残っている。同チームは前々大会で決勝戦まで勝ち進み、レアルと対戦して２対４で惜しくも敗れているが、日本のサッカーファンを大いに盛り上げてくれた▲鹿島アントラーズが大会に出場した場合、１回戦に勝利すると準決勝でレアルと対戦することが決定している。ぜひとも予選を勝ち抜いてアジア王者となって大会に出場するとともに、１回戦を勝ってレアルと対戦し、素晴らしい試合をまた見せてほしいものだ。

来年４月に下川町のリーダーを選ぶ、町長・町議会議員選挙がある▲リーダーとはどんな存在か。著名人の言葉（名言集を抜粋・要約）から考えたい▲「他の人が後から同じことを出来るように、先に行って結果を生み出せる人」（アンソニー・ロビンス）。これは会社や公区など、さまざまな機能維持にも不可欠だろう▲「他人の気持ちになれる、その代わり自分が悩む人。悩んだことのない人は人を動かせない」（本田宗一郎）。「自己犠牲ができる人」（ジョー・トーリ）。「最善手を目指し、一方で次善、三善の策を考える人」（田中角栄）。「不愉快な情報を伝え『うまくいっていない。改めるべき』と言える人」（ラリー・Ｒ・ドニソーン）。「率いられていく人々に、自分たちがいなくては—と思わせることに成功した人」（塩野七生）。「大事なことは、仕組みを変えること。仕組みが変わればおのずと精神は変わる」（孫正義）。「信頼を得るためにすぐ近くにいなければならず、動機づけるため、はるか先にいなければならない」（ジョン・Ｃ・マクスウェル）▲下川で講演した神谷町光明寺僧侶の松本紹圭さんも「『弱み』をさらけ出すことで、他人との壁を取り除ける人」と言う▲これらを意識して動けるリーダーは心強い。周りは勇気をもらえるはず。

東京地検特捜部は19日、報酬額を実際より少ない金額で有価証券報告書に記載したとして、日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者と、同社代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者を金融商品取引法違反（有価証券報告書の虚偽記載）で逮捕。大企業トップが検挙されたことに衝撃が走っている▲特捜部では、２人が共謀し、ゴーン容疑者の２０１０年度から14年度までの報酬額が合計99億9800万円だったのに、50億円ほど少ない49億8700万円で記載した虚偽の有価証券報告書を作成したとみている▲一方、日産では、ゴーン容疑者が同社の資金を私的に流用する不正に関わっていたとして、会長職などの解任を取締役会に提案することを発表した▲ゴーン容疑者は高額な報酬を受け取っていると知られ、同社が公表した金額で10年度９億8200万円、11年度９億8700万円、12年度９億8800万円、13年度９億9500万円、14年度10億3500万円（ここまで虚偽）、15年度10億7100万円、16年度10億9800万円、17年度は７億3500万円。株主総会などで「報酬が高過ぎる」と強い批判を受けていた▲ゴーン容疑者のように、金銭に執着する経営者の末路は惨めであり、全てのものを失うだろう。日産だけでなく、もっと他にもいるかもしれない。

11月22日はご存知「いい夫婦の日」。毎年、この日に向けて芸能人のおしどり夫妻が「パートナー・オブ・ザ・イヤー」で表彰されることでも知られており、２０１８年は陣内孝則・陣内恵理子夫妻と庄司智春・藤本美貴夫妻に決定した▲しかし、この日以外にも夫婦に関係する日があるのはご存じだろうか。４月22日が「よい夫婦の日」であることを知る人も少なくないのではないかと思うが、「いい夫婦の日」の翌日、11月23日も「いい夫妻」の日として制定されている。さらには、１月31日は「愛妻の日」、２月２日は「夫婦の日」。それどころか、毎月22日は「夫婦の日」なんだとか…▲どれも語呂合わせから来ている記念日なのだが、なぜ、これほどまでにも夫婦に関する日が設けられているのか…▲夫婦になったばかりの頃はどんなに仲が良かった２人でも、元は他人同士。子どもの誕生や自立で家族の形態が変わったり、大きな・小さな、さまざまな出来事を乗り越えて絆を強くしていく夫婦もいれば、近年、増加している熟年離婚を選ぶ夫婦もいる▲そんな夫婦が日常生活の中で、お互いを見つめ直し、思いやるためにあるのではないかと、「夫婦」にまつわる日が多い事への驚きを隠しつつ、前向きに考えている。

政府が、自動車の購入費用に課せられる税金を最大２％軽減する案を検討中—との記事を目にした。さらに、減税対象とならない車（ハイブリットなど燃費性能の高い車）は、購入費用の２％分支援も検討しているとのことだが、どのような結論に達するのだろうか▲記事によると、減税の検討は総務省と財務省の案。現行の自動車取得税（最高税率３％）に替わって導入する新税「環境性能割」（燃費に応じて購入額の０〜３％課す）が対象。２％減税の場合、３％を課せられた燃費性能の悪い車は１％に軽減され、２％課せられる車は非課税になるとされている▲少なからず減税されることは国民にとっては受け入れられるもの。加えて、２％減税になると、車購入時の消費税増税分の２％負担がなくなる—と考えれば響きはよい▲だが、税率は１年半の短期間で段階的に戻す計画のため、車を頻繁に買い替えない一般家庭は少ないことを考えると、減税の恩恵を受けられる人は決して多くないように思える▲また、ピンきりとはいえ、車の購入費用は一般家庭において負担が大きいことを踏まえると、支援内容とのバランスが悪いにように感じられる。一般の国民目線に立った減税対策に期待したい。

11月に入っても日中は比較的暖かい天候が続いており、自らの気持ちとしてはホッとしている▲標高の高い山では雪が降り積もっているが、平地ではまだ雪が見られていない。道内では例年であれば10月下旬以降、初雪を観測しているが、今年は各地の気象台や測候所では現時点で初雪となっておらず、この時期で初雪が観測されていないのは28年ぶりとのことだ▲気温も平年と比べて高い傾向が続いており、要因として偏西風が例年より蛇行し、北海道に南から暖かい空気が入りやすい状態になっているためという▲暖かい日が続けば、人々の暮らしとしては楽になるものだが、一方でスキー場など雪を売り物としている業界では気をもんでおり、道内では早い所であれば11月中旬からオープンするスキー場もある。さらにホームセンターではスノーダンプやスコップなど除雪道具の売れ行きは落ち着いているという▲今週は寒気が流れ込んで気温も下がるため、各地で初雪を観測することが予想され、冬は一歩一歩近づいている▲最近は灯油の価格が上昇しており、１リットル100円台という非常に高値であるとともに、今後は暖房が必要不可欠となり、燃料費もかさむことから、願わくは暖かい日がそのまま続いてくれたら—と思っている方は多いはず。生活面では暖かい方が良いに越したことはない。

以前、町民有志主催でボルネオ保全トラスト特別顧問の坪内俊憲さんを招いた、講演会が８年ぶりに下川町で開かれた▲日本ではアブラヤシの実から採れるパーム油を安くて環境負荷が少ない優れた資源として、食品や化粧品などに利用しているが、パーム油を採るためにボルネオ島の熱帯雨林が切られ、動物の住む場所を奪い、人の営みをつなぐことさえも脅かしている▲日本人の無意識、無関心の消費が地球の未来を壊しており、子どもたちへ希望の持てる未来を残すには、私たち大人が日ごろの買い物で、環境や社会への影響を意識しながら、商品を選択することが求められている▲講演会では多くの子育て世代が子連れで参加。子どもたちは自由にはしゃいで遊んでいたが、ボルネオの動物の映像が流れるとそれに目を向けた。それは燃やされる熱帯雨林、親を失ったゾウや、オランウータンの子どもたちの映像で、悲しそうに見つめていた▲そしてその原因は、日本人の無責任な消費が引き起こしている▲大切な子ども、孫の悲しむ姿を思えば、できることから変えていけるのではないか。食資源やエネルギーの自給、地産地消、外から買う場合は保全支援企業から購入するなど、意識ある消費へ、みんなで変えて行けることを願う。

近年、維持管理も含めて墓をどのように守っていくか—が、大きな問題として取り上げられている。少子高齢化や核家族化などが大きく影響しているものだが、現在は新しいタイプの共同墓地などの整備が進んでおり、時代の移り変わりを感じる▲従来の共同墓地は、使用者や地域のコミュニティーで管理、運営し、地域住民が共同で使用する墓地として利用。集落墓地、部落墓地などとも呼ばれている▲広まり始めている新しいタイプの共同墓地・共同型墓地は、１人暮らしや家族がいないなど墓参りをする人がいなくても、寺などが恒久的に供養する「永代供養墓」。「集合墓」「合葬墓」などと呼ばれることもあり、近年、道内でも整備が進んでいるとのことだ▲少子化で墓を守る子孫がいないケースが増えていることに加え、核家族化で子どもたちが遠方で暮らすといったケースも多いことが背景にあるようだ▲先日、名寄市議会と市民との意見交換会を取材した際、参加した市民から共同墓地の整備について質問が出された。議会側は、道内では10カ所以上の自治体で整備が進められている他、隣の士別市は２年前に整備しており、名寄市でも重要な課題と位置付けていた▲若年や中年層にとっては特に大きな問題と思われことから、この機会に考えてみては。

食中毒は夏の暑い時期に発生するイメージがあるが、これからの時期はノロウイルスなどウイルス性の食中毒防止に注意が必要▲厚労省による２０１７年全国の食中毒発生状況を見ると、ノロウイルスが原因の食中毒患者は約8500人で、食中毒全体の51・６％を占め、病因物質別の患者数では第１位▲ノロウイルスの食中毒は一年を通して見られるが、例年11月から発生件数は増加、12月から翌１月にかけてピークになる傾向があるという▲主な感染経路はウイルスを蓄積した二枚貝を、十分に加熱せず食べることによる経口感染だが、食品からだけでなく感染者の嘔吐（おうと）物や咳、くしゃみなどを介し、人から人へと感染する。感染から１日から２日の潜伏期間を経て、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの他、37度から38度程度の発熱を伴うこともあるとのこと▲近年、このノロウイルスが原因で、昔から親しまれてきた餅つきを中止する動きが全国で相次いで見られる。つきたてを大勢で味わうことが醍醐味だが、ウイルスの拡散を助長しかねないというのが理由▲これからの時期は、各地域で餅つき行事が行われる。手洗いや消毒、手袋やマスク着用など感染予防を徹底し、日本の伝統文化を守り、受け継がれていくことを願う。

９月６日の胆振東部地震の発生直後、道内全域で大規模な停電（ブラックアウト）が発生。復旧まで場所によっては２日ほどを要し、道民生活に不便を強いたり、企業活動が滞るなど多大な影響を与えた▲ブラックアウトの原因として、地震発生直後、住民が情報を仕入れようと一斉にテレビなどの電源を入れたため、電力需要が急激に増加。その間、道内最大の火力発電所の苫東厚真発電所が地震で損傷して発電が止まり、需要（消費量）と供給（発電量）のバランスが崩れて電力の周波数が乱れた。それによる発電機器の故障を防ぐため、道内各地の発電所で稼働を停止し、大規模停電に至った▲このほど、国の認可法人「電力広域的運営推進機関」の検証委員会が取りまとめた中間報告では、再発防止策として北海道電力に対し、電力需給のバランスを回復するために行う強制停電の枠を現状に比べ35万キロワット増やすこと、苫東厚真発電所への過度な依存を避けるため必要に応じて出力を一部抑制するなど、災害への備えを万全とすることを求めている▲これから冬場に向け、暖房が必要不可欠となることから電力需要はさらに増加する。冬場に大規模停電が起きると暖房が使えず、寒さに凍えて身を削るという事態も想定され、電力供給には万全な対策を講じなければならない。

環境省は、プラスチックごみ削減に向け、買い物した際に配布されるレジ袋の有料化を法律で義務付ける方針を固めた▲日本でも、プラごみによる海洋汚染がメディアで大きく取り上げられるようになった。海洋プラごみの多くは使い捨てのプラ製品。経年劣化で粒子化し、生態系へ悪影響を及ぼすとされている▲コーヒーチェーン大手のスターバックスは、２０２０年までにプラ製の使い捨てストローを廃止、以降は紙製などプラスチック素材ではないストローを導入するとしている▲そんな中、大手コンビニエンスストアのセブンイレブンが、レジ袋有料化を検討している—という情報を目にした。コンビニでは缶コーヒー１本やたばこ１箱などと少量の買い物で済むことが多く、大きな影響はないのかもしれない。そこへ、環境省がレジ袋有料化を義務付ける方針を固めたとの情報▲有料レジ袋は、大手スーパーなどでは当たり前のこととなっているが、コンビニ業界や小型の小売店では導入が遅れていた▲筆者も自然環境に優しいことには大賛成だ。しかし、財布だけを持って、気軽にコンビニに寄る—という時代ではなくなるのかもしれない。人間にとっては便利ではないが、これを機に、環境汚染にもっと目を向ける必要もあるのだと感じている。

郵便局の年賀状予約が始まった。筆者の家にも「予約はお早めに」などと書かれたチラシが届き、「もうそんな時期か」と１年の終わりの早さを感じさせられる。一方で、若年層を中心とした年賀状離れが問題となっており、日本文化の一つでもある年賀状の将来が心配されるところ▲ご承知のこととは思うが、年賀状は新年を祝う言葉をはがきなどに書いて送る挨拶状。また、親しい人には近況を添える場合もあり、日本以外では韓国、中国、台湾にも似た風習がある▲一世を風靡（ふうび）したとまでは言わないが、１９８０年代を中心に日本全国で人気を集めたのが、年賀状などを作成できる小型印刷機の「プリントゴッゴ」。以降、パソコンによる家庭用プリンターに時代は移り変わってきた▲だが、近年はインターネット社会によるＳＮＳなどの普及に伴い、スマホ世代の若者の年賀状離れが増加傾向。年賀状の発行枚数は２００９年にマイナスを記録して以降、９年連続で減少しているとのことだ▲スマホなどで「あけましておめでとう」「今年もよろしくお願いします」と簡単に連絡を取り合える時代だが、日本の古き良き伝統文化である年賀状をあらためて見つめ直すとともに、興味、関心を深め、平成最後となる年賀状を送ってみては。

「ジャポニカ学習帳」などで知られる文具メーカーのショウワノート株式会社は、和食の素晴らしさを紹介するノート「和食学習帳」を９月に発売した。ジャポニカ学習帳の和食版で、読み物ページとして和食の素晴らしさを６ページにわたって紹介している。表紙は「肉じゃが」▲ジャポニカ学習帳は１９７０年の発売で、累計販売数は12億冊以上。世界に生息するチョウやカブトムシなどの昆虫が表紙にプリントされたものが記憶にある人も多いと思う。筆者も学年が上がるにつれ、いわゆる大学ノートを使うようになったが、それまではジャポニカ学習帳を使っていた▲ところが、昆虫が苦手だとする子どもや保護者、教師からの意見が寄せられ、昆虫の表紙は２０１２年に姿を消した。現在はさまざま色・形の植物が表紙に使われているが、15年にジャポニカ学習帳45周年記念企画として、それまでの表紙の人気投票を行い、復刻版５冊セットが数量限定で販売されている▲この度、発売になったのは和食がテーマ。外食の増加や食生活の欧米化により、日本人の「和食離れ」が懸念される昨今、子どもたちに和食により親しんでもらえるかもしれない。ただ、給食の前に見ると、よりお腹が空きそうでもある…。

１日から「赤い羽根共同募金」が全国一斉にスタート。各ボランティア団体が街頭に立ち、募金への協力を呼び掛け、趣旨に賛同した住民が善意を寄せる姿は、この時期ならではの光景▲共同募金運動は、１９４７年に全国で展開されたのが起源。戦後の厳しい生活情勢の中、集まった募金の使途は被災した福祉施設を中心に支援され、その後、現在の社会福祉法に基づき、地域福祉のために活用されてきた▲募金の使い道は、時代のニーズに合わせて変化。「子どもや青少年の健全育成」「障がい者の社会的自立」「お年寄りが安心して暮らせる地域づくり」、そして、「被災者やボランティアを支える活動」など多岐にわたる▲近年の日本は、地震や豪雨など自然災害が増加傾向にある。今年に入ってからも、西日本を中心に広範囲で浸水被害などをもたらした「７月豪雨災害」や、胆振東部を震源に土砂崩れや断水、停電などを引き起こした「胆振東部地震」などが発生。連日、被災地で復興支援に当たる自衛隊や消防、ボランティアなどの姿が報道されている▲一方で、被災地に行かなくても力になれる方法がある。その一つが、被災者に届けられる「義援金」や、ボランティアなどの活動資金として役立てられる「支援金」。各福祉活動の源となる共同募金に一人でも多くの協力を願う。

朝晩は寒さを感じ、日照時間も短くなり、本格的な秋が感じられる。秋はスポーツの秋、食欲の秋、読書の秋、芸術の秋など他の季節にはない呼び名が多い▲この時期は、地元の旬の味覚が勢ぞろいした秋まつりでおいしい食べ物を味わったり、各種スポーツイベントを通じて元気に体を動かしたりと、楽しいことがたくさん▲スポーツに関し、美深町では、10月に体育の日イベント「びふかのあそび広場」（８日・町民体育館）、美深町開拓120年記念「第44回美深町民健康マラソン大会」（14日・天塩川堤防）が開催される。子どもから高齢者まで多くの町民がスポーツを楽しむ姿が、今からでも目に浮かぶ▲あそび広場もマラソン大会も現在、参加者を募集中▲あそび広場は、びふか近代八種競技に加え、「記録に挑戦！イベント」として投球とシュートのスピード計測、20メートルダッシュのタイム計測。「ニュースポーツ体験」としてフロアカーリングやボッチャなどを計画。また、マラソン大会は、天塩川堤防を折り返すコース設定。２、３、５、７キロで健脚を競う▲スポーツに親しむ者の一人として、今秋もイベントを楽しみたい。家族、友人、職場の仲間と一緒に参加してイベントを盛り上げ、スポーツの秋を満喫してほしい。

全国では１９６０年代から70年代前半にかけての高度経済成長期にインフラの整備が進んだが、当時、数多くの施設や設備が完成したことから、現在、老朽化も一気に進んでおり、対策に追われている▲日本は太平洋戦争（41年〜45年）の空襲などによって都市を中心に荒廃。戦後の復興は50年代から始まり、60年代に入るとほぼ元通りになるとともに、高度経済成長期に入り、さらなるインフラが整備され、生活も便利になっていった▲まちには多くの施設や設備ができ、住民たちは利便性の恩恵を受けたが、現在になって築50年以上のものも多くなり、老朽化が進行。改築や改修に追われているが、多額の費用を要し、重荷になっている▲名寄市内でも、建物では名寄警察署が65年（２０１９年移転新築予定）、市役所名寄庁舎が68年、市立名寄図書館が70年、風連中央小学校が71年（今年中に建て替え完了予定）。橋りょうでも曙橋が63年、天智橋（智恵文地区）が65年、東橋（旭東地区）が66年、名寄大橋が71年に完成するなど、老朽化が目立っている。さらに60年から供給開始した水道も施設や設備老朽化などによって料金値上げが検討されている▲今後、古い建造物が増えていくのは間違いないため、維持費用の確保は必要不可欠となるだろう。

北海道胆振東部地震が９月６日に発生。震源地の厚真町では土砂崩れに巻き込まれるなどして多くの犠牲者が出た。厚真町をはじめ、近隣の安平町、むかわ町などでは家屋や店舗が倒壊。札幌市清田区では液状化現象が発生し、家屋が傾くなど大きな被害を受けている▲地震直後、道内全域にわたって停電も発生。長い時間、電気が止まったため、炊事や洗濯などができなかったり、暗闇の中での生活となり、不便を強いられた。工場にも影響し、商品が製造できなかったのはもちろん、冷蔵・冷凍庫が使えなかったため食材を廃棄。酪農家では搾乳した牛乳を保存、搬送できなかったために廃棄、乳牛が病気にかかるなど、あらゆる場所で影響を及ぼしている▲地震や停電の後遺症の一つといえるのが、食料がなかなか入荷してこないことである。名寄消費者協会では毎月、小売価格調査を実施しており、今月は12日に行ったが、納豆が全くなかったため調査不可能に。牛乳や食パン、豆腐、米なども少なかった▲現在でも商品の陳列棚が空いている個所もあり、安定供給には至っていない。商品によっては入荷したとしても数は少なく、買いだめする人もいるため、すぐに売り切れになるケースもある。食料事情が落ち着いてくるまでには、しばらく時間がかかりそうである。

40回の節目を迎えた「なよろ産業まつり〜もち米日本一フェスタ〜」が８月26日、なよろ健康の森で開かれ、大勢の市民が新鮮な農畜産物を買い求めたり、餅まきなど多彩なプログラムで盛り上がった▲同まつりは１９７８年（昭和53年）、市や農協などが主催し「名寄農業まつり」としてスタート。当時の新聞広告や記事を見ると「たくましく伸びゆく農業と酪農のまち名寄」とテーマを掲げ、牛肉や野菜の即売コーナー、餅つきなど現在と同様のプログラムがある一方、農業の機械化が進んでいた頃で、農機具の展示も行われるなど時代を感じさせる。翌79年から商工会議所も加わり「産業まつり」に。83年には冷害の影響で中止となる事態もあった▲会場は当初、南広場だったが、80年から名寄公園、84年から市民文化センター、88年から浅江島公園に。その後、出店数増加や駐車場問題もあり、２００４年からなよろ健康の森となっている▲一部の市民から「健康の森は遠い」という意見もある。会場を浅江島公園に戻し、駐車場所をエンレイホール駐車場とする方法を考える人もいるが、同ホールでのイベントとの兼ね合いもあり、難しい対応を迫られている▲そういった課題もある「産業まつり」だが、市民に長く愛されるイベントを目指し、次のステージへ歩んでほしい。

６日に起きた北海道胆振東部地震。下川町も１日以上、停電に見舞われ、電気の在り方を見つめ直す機会になった▲信号も街灯も住宅も明かりが消え、その日は町全域が闇夜となった。明かりがなくなったことで、見えなかったものが見えるようになった。夜空に輝く幾多の星もその一つ。広がる星空の美しさに魅了された住民も多いのではないか。これまでの夜が、どれだけ明る過ぎたことか▲大規模集中電源に依存することへの問題、小規模分散型電源の必要性も、身に染みて感じることになったと思う。日中は太陽光発電が活躍。その電源を開放し、困っている人へ電気を提供する家庭や施設も見られた。筆者も太陽光の自家発電に接続し、テレビやインターネットでニュースを確認、情報を得た。太陽光が出ているうちに携帯電話やランプも充電できた▲災害の時こそ前向きに考えることが大切—と思い、日暮れ後はテントで生活し、暗闇を残しながらランタンで優しく辺りをともし、落ち着いた静かな夜を過ごした。まきや炭で野外料理をする人もいたようだ▲夜明けとともに順次停電が解消。電気に依存し過ぎず、エネルギーに多様性を持たせること、限られたエネルギーを大切に使うこと、情報を得る環境を保つこと…暮らしを見直す、貴重な経験と感じた。