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熊本日日/2020/6/2 10:05
https://kumanichi.com/column/syasetsu/1478508/

JR路線の維持/沿線自治体が議論主導を

 人口減少や少子高齢化で鉄道事業の運営が苦しくなる中、九州のローカル線の厳しい現状が改めて浮き彫りになった。

 JR九州は、乗客が特に少ない12路線17区間の収支を初めて公表した。熊本県関係の3路線4区間を含む全線区が赤字だった。

 ローカル線は地域住民の貴重な足であり、観光資源の一つでもある。既に乗客の減少が著しい7線区については、同社と沿線自治体との間で検討組織が設置されている。県と各自治体は地域の重い課題として議論を主導し、路線の維持につなげていかねばならない。

 JR九州が公表したのは、全22路線61区間のうち、1日1キロ当たりの平均乗客数(輸送密度)が2千人に満たない線区の2018年度営業損益だ。対象線区の営業赤字の合計は約55億円。赤字が最大だったのは日豊線佐伯-延岡の6億7400万円で、肥薩線八代-人吉の5億7300万円がこれに続いた。このままでは路線の廃止議論も避けられない厳しい現状である。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、JR側の屋台骨も揺らいでいる。2020年3月期連結決算は16年10月の株式上場後初の減収減益。政府の緊急事態宣言が全国に出された4月以降5月25日までの鉄道収入は、前年と比べ75%超の大幅な減少となっている。第2波、第3波が発生する恐れもあり、先行きは見通せない状況だ。

 ただ、だからと言って、赤字ローカル線が安易に切り捨てられるべきではない。

 同社は民営化し、株式上場も果たしているとはいえ、公益性の極めて強い会社だ。民営化する際、赤字を穴埋めするため3千億円超の経営安定基金を引き継いだ経緯もある。駅ビルなどの商業施設やホテルなどで多角化を図れているのも、基金の運用益で経営を安定させることができたからだろう。企業の論理だけを押し通すのではなく、公益性も重視した対応が求められる。

 今後、路線維持に向けた議論が活発化すると思われるが、その過程で同社と沿線自治体の主張が対立する事態も予想される。17年の九州北部豪雨では、被災した日田彦山線の復旧のあり方を巡って調整が難航した。同社は復旧の条件として自治体負担を要求。費用負担をのめない自治体側が、鉄道に代わるバス高速輸送システム(BRT)への転換方針を受け入れたのは、つい最近のことである。

 大規模な災害によって鉄道の存続が難しくなるのは、日田彦山線に限った話ではあるまい。人口減少が進む中で収支を改善するには何が得策か。あらゆる方策を視野に入れて議論を深める必要がある。

 そのためにも、JR側には年度ごとの収支の推移など開示項目の拡大を求めたい。利用する側も積極的に議論に加わり、使い勝手がよく地域振興にもつながる路線となるよう提案を重ねるべきだ。危機感を持って議論を進め、速やかに結論を出したい。


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