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佐賀新聞/2020/5/30 6:06
http://www.saga-s.co.jp/articles/-/528779

ネット空間の荒廃 制度見直しは最小限に/

人気女子プロレスラーの木村花さんが亡くなった。22歳だった。テレビ番組出演を巡り、会員制交流サイト(SNS)上で「お前が早くいなくなればみんな幸せ」「二度とテレビに出ないで」など匿名の誹謗(ひぼう)中傷にさらされていた。自宅から遺書のようなメモが見つかり、玄関前には「有毒ガス発生中」の張り紙もあり、自殺とみられる。
 この番組はフジテレビの「テラスハウス」。台本なしのリアリティー番組を売りに、男女6人のシェアハウスでの共同生活を映し、先の読めない展開が評判を呼んだ。海外にも配信されたが、木村さんが出演者の男性に憤り非難する場面があり、これが集中砲火の引き金になったとされる。
 木村さんの死が海外でも波紋を広げる中、匿名の発信者を特定しやすくし悪意のある投稿を抑えるべきだとして、制度見直しの動きが政府、与党内で加速している。厳罰化を求める声もある。確かに現行制度では発信者を見つけたり、書き込みを削除させたりするのに手間と時間がかかり、救済に至らず、泣き寝入りする例も少なくない。
 インターネット空間の荒廃に歯止めをかけるのに一定の効果はあろう。しかし発信者特定が容易になり、ネット上で批判を受けた政治家や企業に乱用されれば「表現の自由」や「通信の秘密」に深刻な影響を及ぼしかねない。見直しは必要最小限にとどめるべきだ。
 木村さんは昨年9月から番組に出演。SNS上で自身に向けられた誹謗中傷について「毎日100件近く率直な意見。傷付いたのは否定できなかったから」とツイートしていた。著名人がこうした“炎上”と呼ばれる事態に巻き込まれるのは珍しくなく、一般の人が標的になることもある。
 被害は年々拡大している。総務省の違法・有害情報相談センターに寄せられた相談は2019年度、5198件。10年度の約4倍に増えた。一方で、法務省の人権擁護機関が18年に扱ったプライバシー侵害、名誉毀損(きそん)といったネット上の人権侵犯事件は1910件に上り、10年の3倍近い。
 ただ発信したのは誰かを突き止めるのは簡単ではない。02年に施行されたプロバイダー責任制限法は、被害者が携帯電話会社をはじめプロバイダーと呼ばれる接続業者などに発信者情報の開示を求めることができると定めている。だが実際には表現の自由との兼ね合いもあり「権利侵害が明らかではない」などの理由で開示されない例が多い。
 開示請求の訴訟を起こすと時間がかかり、費用もかさむ。さらにスマートフォンの普及により有害情報は法施行当時とは比べものにならないほどのスピードで拡散する現状を踏まえ、総務省は有識者会議を設け、4月から対策の検討に着手。木村さんの問題を受け、年内に制度改正案を取りまとめたいとしている。
 匿名の発信者を特定する手続きの簡略化や開示情報の拡大、海外のプロバイダーへの対応などが焦点になっている。ある程度の規制がかかるのはやむを得ないだろう。
 とはいえ、ネット空間は年齢や職業、地位にかかわらず、誰もが自由に意見を発信し、議論を交わせる場だ。本来、規制は好ましくない。発信する側も一人一人が被害拡大で、さらなる規制を招けば、貴重な場が失われかねないことを心にとどめておく必要がある。(共同通信・堤秀司)


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