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愛媛新聞/2020/5/29 8:05
https://www.ehime-np.co.jp/article/news202005290015

ネット上の中傷対策/表現の自由との兼ね合い慎重に

 プロレスラー木村花さんが亡くなった。出演した番組での言動を巡り会員制交流サイト(SNS)で激しい誹謗(ひぼう)中傷を浴びていた。自殺とみられている。
 インターネット上で他人を中傷する悪質な投稿が後を絶たない。匿名を盾にした中傷が過激化した場合、沈静化させたくても難しいことは、これまでも問題視されてきた。発信者の特定に壁があり、被害救済には時間もお金もかかる。しかし、痛ましい出来事が繰り返されないために、これ以上見過ごしてはならない。誰もが手軽に情報発信できるSNSの利便性や表現の自由を守りつつ、どうやって悪質な中傷を防ぎ、被害回復を迅速に図っていくか。社会全体で議論を深めていく必要がある。
 ブログやSNSの普及に伴いネット上での人権侵害を訴える声は急増している。総務省が設置する名誉毀損(きそん)やプライバシー侵害に関する相談窓口には、2019年度は5千件余りが寄せられた。設置を始めた10年度に比べて約4倍に増えた。
 権利を侵害する投稿について被害者はプロバイダー責任制限法に基づき、ネット接続業者やサイト管理者に投稿の削除や、発信者を特定する情報の開示を直接請求できる。刑事告訴や損害賠償請求をするには発信者の特定が前提だ。しかし「権利関係の認定が難しい」などの理由で拒否されるケースが多い。
 開示されず裁判手続きに移行すればさらに時間がかかり、費用も膨らむ。こうした課題を踏まえ、政府は有識者会議を設けてプロバイダー責任制限法の改正に向けた議論に着手したばかりだった。木村さんの死去を受け、高市早苗総務相は議論を急ぐ考えを表明。悪意のある投稿の抑止策を求める声は、与野党双方からも上がり始めた。
 被害回復の負担を軽減するため、請求手続きの簡素化などの整備は求められる。一方で懸念するのは「表現の自由」との兼ね合いである。匿名の情報発信者を特定しやすくなれば、政治家ら公人への告発や正当な批判までためらわれる恐れがある。内部告発が難しくなれば健全な民主主義の発展も損なう。どこまでが行き過ぎた発言に当たるのか、言論全体を萎縮させないようルール作りには丁寧な議論が欠かせない。
 ツイッターの日本法人やLINE(ライン)などが加盟するSNSの事業者団体は、嫌がらせを意図した投稿者に対し、サービスの利用停止措置を取るとした緊急声明を出した。業界の主体的な動きも注視しながら、多角的な視点で抑止策を検討したい。
 ネット上では、新型コロナウイルスの感染者や施設への中傷も相次いだ。匿名の陰に隠れた軽はずみな振る舞いが、他人を追い込むことがある。人を傷つける言葉の暴力の爪痕は容易には消えない。自由で健全なネット空間を守るには、モラルや配慮が求められていることを改めて胸に刻みたい。


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