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茨城新聞/2020/5/23 4:05
http://ibarakinews.jp/hp/hpdetail.php?elem=ronsetu&【論説】コロナと虐待・DV SOS見逃さぬ態勢を

コロナと虐待・DV/SOS見逃さぬ態勢を

 新型コロナウイルスの感染拡大で、休業や在宅勤務、休校により家族が一緒に過ごす時間が長くなり、児童虐待やドメスティックバイオレンス(DV)の深刻化が懸念されている。日々の行動をさまざまな面で制約されたり、収入減や失業に不安を募らせたりする中でストレスがたまり、妻や子どもへの暴力の引き金になりかねないからだ。
  県内の2〜4月の児童虐待通告件数はいずれの月も前年度と比べて減少している。しかし、県は休校の長期化によって「学校からの通告が入りづらくなって、虐待が見えづらくなっているのではないか」と危惧。「把握できていないところが不安」とし、「気になることがあれば躊躇(ちゅうちょ)なく通告してほしい」と呼び掛けている。
  厚生労働省も虐待を受けている恐れのある子どもの状況把握を全国の自治体に求めている。しかし緊急事態宣言の下で外出を自粛して人との接触の機会を極力減らしたり、人と会う際には距離を取ったりするよう求められる中、学校も児童相談所も頻繁に家庭訪問を繰り返し、子どもの安全を確認するのは難しい。
  感染の恐れを盾に訪問を断る保護者もいる。一方、DVの被害者は加害者が自宅にいるため、支援団体などに助けを求めるのが困難との切実な声も寄せられている。今後、感染拡大の第2波で、再び被害に目が届きにくくなることも予想される。そうした中でも虐待やDVの被害を潜在化させないため、この間の被害実態を詳細に把握し、関係機関による対応をしっかり検証すべきだ。その上で、かすかなSOSも見逃さず、着実に支援・救済につなげる態勢を整えていく必要がある。
  厚労省は先に、1〜3月に全国の児相が対応した虐待の相談件数をまとめた。それによると、1月が1万4974件、2月は1万4997件、3月は2万2503件となり、前年同月と比べ1〜2割増加していたことが分かった。
  この間、横浜港に到着したクルーズ船で集団感染が発生したほか国内初の死者も出るなど感染が広がり、安倍晋三首相は月末、小中高校などの一斉臨時休校を要請。各地で文化・娯楽施設の休業が相次ぎ、プロ野球などは無観客で開催された。
  一連の経緯が相談件数の増加にどこまで影響したか定かではないが、緊急事態宣言が出されて以降の4〜5月に事態がより悪化していることも考えられる。
  市町村ごとに児相や警察、教育委員会などから成る要保護児童対策地域協議会があり通常、夏休みなど長期の休み前に見守りの仕方を確認しておくが、今回は急に休校となり、対応が追いつかなかった。接触の機会が限られる中、電話などによる状況確認も行われた。今後は分散登校日を活用して定期的に顔を合わせる機会を増やすことなども検討したい。
  生活様式の変化で夫婦間の亀裂が表面化し、DVのリスクは高まっているとされる。感染防止のため窓口での面談を控えた自治体もあり、いかに被害者との連絡を絶やさないかが当面の課題だろう。
  虐待におびえる子どもや、DVを受けかねない妻との接点を一つでも多く確保するため、児相や警察、学校、DVの相談センターなどの関係機関と、民間の支援団体や地域住民とが連携し、知恵を出し合う必要がある。
 


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