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高知新聞/2020/2/27 10:05
http://www.kochinews.co.jp/article/348709/

原爆症判決/被爆者に寄り添う認定を

 被爆者救済の道が狭まるのではないか。
 原爆の放射線で病気になり経過観察中の被爆者を原爆症と認定しなかった国の処分の取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁は原告の被爆者3人の訴えを退けた。
 原爆症と認めるためには、「経過観察自体が積極的な治療行為の一環と評価できる特別な事情が必要」との厳格な判断を示した。
 原爆症の認定要件は「病気の原因が放射線であること(放射線起因性)」と、「現に医療を必要とする状態であること(要医療性)」の二つ。放射線起因性は幅広く認める司法判断が積み重なっている。
 一方、要医療性の解釈はこれまで曖昧だった。二審判決も二つの高裁で原告勝訴、一つの高裁で原告敗訴と結論が分かれていた。
 最高裁は「特別な事情」の有無を判断する指針として、病気の悪化や再発の可能性、悪化した場合の結果の重大性など個別の事情を総合的に考慮すべきだとした。それを踏まえて原告は要件を満たさないとされたわけだ。
 ただし経過観察中でも病状やその変化次第では、認定される可能性も残っている。このため「認定の幅が広がる」と期待する声もあるが、現実はどうだろう。
 原爆症認定者には月額約14万円の医療特別手当が支給される。3年ごとの更新審査で「治療の必要がなくなった」と判断されると、月額約5万円の特別手当に変更される。
 従来、こうしたケースは年数十件程度だったが、2014年度以降は500件前後に急増している。14年度からは厚生労働省が要医療性を厳格に判断するよう通知しており、それが原因との指摘もある。
 昨年3月末時点の被爆者数は約14万5千人。このうち原爆症と認定されているのは7千人余りで、被爆者の約5%にとどまっている。最高裁判決を機に国が要医療性を厳格に、機械的に判定するようになれば、認定されるのがより一層難しくなる恐れがある。
 被爆者に多くみられるがんは再発の可能性がつきまとう。長期にわたって様子を見ていく必要のある病気は、他にも多かろう。
 「いつどこで、どういう病気が出てくるのか」。被爆者は不安を抱きながら暮らしている。原爆症認定に伴う手当には、不安への慰謝という意味も含まれていよう。認定に際して個別の事情を考慮するというのなら、より被爆者に寄り添った判断が求められるのではないか。
 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)と政府は09年、「被爆者と国が今後、訴訟で争うことのないよう解決を図る」ことで合意した。10年以上が過ぎた今も、法廷で対峙(たいじ)する光景が続いているのは残念と言うほかない。
 被爆者の高齢化は進んでいる。残された時間は多くない。被爆者の声にどれだけ歩み寄れるのか。国は政治的な解決も含めて探るべきだ。


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