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愛媛新聞/2020/1/12 8:05
https://www.ehime-np.co.jp/article/news202001120007

ゴーン被告会見/逃亡したままでは説得力を欠く

 保釈中に中東レバノンに逃亡した前日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告が現地で会見した。世界のメディアを前に日本の司法制度や捜査への批判を繰り広げ、身の潔白を訴えた。
 ただ主張の内容は従来の域を出たものではなく、出国の手口も明らかにされなかった。もっとも、いくら言葉を重ねたところで逃亡先からでは説得力を欠く。「汚名をそそぎたい」とも述べたが、現状のままでは難しいだろう。正式な裁判を経ずして名誉は回復しない。無罪を主張するのであれば日本に戻り、法廷で堂々と争うべきである。
 被告は会見で、事件は自らを追い落とすクーデターだったと強調した。日産幹部の実名を挙げ、日本政府も追い落としに加担したと非難。自らがルノーと日産の経営統合を推し進めたことで、統合に反対だった日産、日本政府が共謀して事件を作り上げたとする自説を展開した。
 社内で確執があったのは確かだろう。日本政府も日産がルノー側に主導権を奪われることを恐れた可能性はある。だがそうした事情と、被告が負った嫌疑はそもそも次元が異なる。問われているのは自らの役員報酬を実際より少なく見せかけたのかどうか、私的な投資損失の付け替えや知人らへの不正送金で会社に損害を与えたのかどうかという犯罪行為だ。その点で納得のゆく説明は乏しかった。
 不法出国については「公正な裁判を期待できない」と、日本の司法制度の問題を理由に挙げた。弁護士が取り調べに立ち会えず、否認を続けると勾留が長引く日本の制度には被告からだけでなく国際的な批判も強い。だからといって逃亡を正当化する理由にはならない。無実を証明する機会を自ら絶ったことは罪から逃れようとしただけと受け止められても仕方がない。
 レバノンとの間に犯罪人引渡条約がない以上、日本への引き渡しは困難だろう。このままでは公判は開けず、真相が宙に浮いてしまう可能性が高い。著名な経営者だった、その社会的地位に鑑みても一連の行動は極めて残念だ。
 被告の会見後、森雅子法相らは即座に反論した。「『推定有罪』の原則がはびこっている」とする被告の主張に、国際世論の同調が広がるのを警戒してのことだ。ならば言葉だけでなく司法制度の透明化をさらに進めていく必要があろう。「人質司法」と言われないように、保釈を積極的に認める最近の流れを後退させないことも重要だ。
 無断出国は、厳しい条件を課しても保釈中の逃亡を防ぎきれない実態を浮き彫りにした。対策の強化は避けられないが、行き過ぎになってはいけない。政府内では衛星利用測位システム(GPS)発信機を装着する案も取り沙汰されているが、保釈後も精神的に強い拘束につながり、人権上問題が大きい。今回の事件は日本の出入国管理の甘さが突かれた。管理の厳格化にこそ力を入れるべきだ。


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