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愛媛新聞/2020/1/9 8:05
https://www.ehime-np.co.jp/article/news202001090018

相模原殺傷初公判/審理を通じ共生への道考えたい

 障害者が狙われ、多くの犠牲者を出した未曽有の事件がこれから審理される。相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年7月、入所者19人を殺害し、職員を含む26人に重軽傷を負わせたとして殺人罪などで起訴された元施設職員植松聖被告の裁判員裁判初公判が横浜地裁で開かれた。
 植松被告は起訴内容を認め、弁護側は無罪を主張した。事件以降、身勝手な障害者への差別発言を続ける植松被告の主張について証拠や証言に基づき多角的に審理し、動機を解明する必要がある。悲惨な事件を二度と繰り返さないために事件の真相究明が欠かせない。
 刑事責任能力の有無が最大の争点となる。弁護側は冒頭陳述で「大麻精神病により別人になった」とし、責任能力はなかったと訴えた。検察側は、捜査段階の精神鑑定で万能感や特権的人間との自意識を持つ「自己愛性パーソナリティー障害」と診断され、完全責任能力を問えるとしている。主張が分かれるため公判で鑑定医に意見を尋ねる見通しで、厳正に証拠を見極めて判断することが肝要だ。
 公判では、被害者特定事項秘匿制度に基づきほとんどの被害者の氏名を伏せて審理される。被害者を「甲」「乙」と分け、アルファベットを割り当てた呼称を用いる。匿名で審理することについて、共同通信が遺族や入所者家族らに実施したアンケートでは賛否が二分した。匿名を希望したある遺族は「差別されるのではないかと思うと(実名は)怖い」と吐露している。遺族の意向は最大限尊重しなければならない。
 一方で家族が記号で呼ばれることに違和感を持つ遺族も存在する。初公判前に娘美帆さんの名前を公表した女性は「娘は甲でも乙でもない」と訴える。事件で重傷を負った被害者の親の一人は親子の氏名を出して取材に応じてきた。「家族が語らなければ事件が風化してしまう」という思いからだ。匿名や実名を画一的に決めるのではなく、個々の家族の心情に寄り添った柔軟な対応が求められる。
 植松被告は初公判で「皆さまに深くおわびします」と言った後に暴れだし、裁判長が退廷させた。植松被告は接見取材で、「重度障害者は不幸を生む。社会からいなくなった方がいい」との主張を一貫して展開した。しかし、差別的思想が多数の人を殺傷する行為につながった過程には納得できる説明がない。「被告の言葉を聞きたい」と傍聴に向かった遺族らに対し、植松被告には真摯(しんし)に公判に臨んで心情を明かす責任がある。
 審理は約2カ月に及び、判決は3月16日の予定。美帆さんの母親は、裁判で量刑を決めるだけでなく、二度と事件が起きないよう社会で議論し考えてほしいと願っているという。障害者が安心して暮らせる共生社会をつくるために何をするべきか。社会全体で議論を加速させなければならない。


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