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北國新聞/2020/1/5 2:05
http://www.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm?市政の課題 歌劇座建て替えに道筋を

市政の課題/歌劇座建て替えに道筋を

 金沢市が今年取り組まねばならない最大の課題は、老朽化が著しい金沢歌劇座の建て替えに、しっかりと道筋を付けることである。近隣他県にレベルの高い鑑賞環境を備えた劇場が登場する中、開館から60年近い年月を経た歌劇座は舞台装置一つとっても見劣りするのは否めない。成熟した文化都市の顔として、市民らに質の高い芸術を提供する場であり続けるためにも、令和の品格を備えた新たな殿堂への建て替えは待ったなしである。
 昨年、金沢経済同友会の問題提起を受けて、金沢市は建て替えを視野に、歌劇座のあり方を検討する懇話会を設置した。懇話会の答申を受けて、来年度中にも市としての方向性を示すという。
 注意したいのは、建て替えの際に、立地を安易に郊外に求めてはならないことだろう。昨年12月の本紙特別企画で作家の五木寛之氏と塩野七生氏が対談し、五木氏はこれからの金沢について、中心部に劇場や宗教施設を集めて多文化が溶け合う「文化のるつぼ」の熱気を求めた。
 山野之義市長は、先の市議会で多彩な文化施設が並ぶ本多町一帯を「芸術文化ゾーン」として全体の価値を高める方針を示したが、同ゾーンを「るつぼ」に例えればその核には質の高い舞台芸術の発信源として歌劇座の存在が不可欠だ。新歌劇座と金沢21世紀美術館や鈴木大拙館が連なる中心部一帯は、るつぼの熱気の中で希有なパワーを生み出すはずである。
 そんな金沢を見渡して気になるのは、金沢駅前に空いた旧金沢都ホテル跡地の広大な空間である。鼓門と目と鼻の先という最高の観光スポットながら、営業終了から3年近くたっても活用策が決まらない。金沢経済同友会が求めたように、山野市長自ら早急に近鉄グループホールディングスのトップと面会し、市の思いを真摯に伝えることが重要だ。市内中心部ではやがて移転する香林坊の日銀金沢支店の跡地問題も、重い課題である。ともに場所を埋めて余りある中身とカタチが求められる。
 県内各地の拠点都市に目を転じれば、地域振興の分岐点となる課題や事業が目に付く。
 3年後に新駅舎で北陸新幹線を迎える小松、加賀両市をはじめ、南加賀一帯では、延伸効果を呼び込む地ならしが大詰めに差し掛かる。昨年、大阪で初めて関西の県出身者らが集う「いしかわ県人祭」が開かれた。関西圏とつながりが深い南加賀には心強い応援団の登場であり、白山、温泉、九谷焼など豊富な財産を一体感をもって発信する好機であろう。
 能登の基幹都市七尾市は、複合商業施設パトリアの再生を軌道に乗せることが、最大のテーマだろう。市では今年中のリニューアルオープンを目指す。駅前の沈滞イメージを払しょくする意味でも、テナント誘致にスピード感が求められる。地元官民が手を携え、市民目線でサービスを提供する広場に育てることに注力してほしい。
 2度目の奥能登国際芸術祭を迎える珠洲市では、前回を上回る8万人の集客をめざす。初回の成功を受け、アートと無縁だと思っていた地元住民に、もてなしに工夫を凝らす意識が出てきたことが頼もしい。今回はエリア全域が「アートの劇場」としての評価を確立できるかどうか勝負の年となる。
 金沢歌劇座のあり方を検討する懇話会で座長を務める谷口吉郎・吉生記念金沢建築館長の水野一郎氏は「金沢は江戸、明治、大正、昭和、平成の歴史層を年輪のように見ることができるバウムクーヘンのような都市」と表現している。金沢とともに加賀、能登の市町も、アプローチは違っても地域の強みを生かした令和の歴史層をつくることが求められる。それぞれの舞台で、確かな手ごたえをつかむ1年にしたい。


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