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愛媛新聞/2019/12/21 8:06
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201912210013

米大統領弾劾訴追/権力乱用の懸念/重く受け止めよ

 米下院本会議は、トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾訴追決議案を野党民主党の賛成多数で可決した。トランプ氏は、罷免もあり得る弾劾訴追を受けた米史上3人目の不名誉な大統領となった。
 弾劾裁判は来年1月にも上院で開かれるが、上院は与党共和党が多数を占めるため、無罪となる公算が大きい。弾劾・罷免に対する賛否の世論も拮抗(きっこう)し、米国社会の分断の深刻さが改めて浮き彫りとなった。来年11月の大統領選を見据え、弾劾手続きが「政争の具」と化し、大統領の権限や議会制民主主義の在り方といった根幹の議論を外れている現状を強く憂慮する。
 ウクライナ疑惑は、トランプ氏が軍事支援の見返りに、民主党の政敵バイデン前副大統領を捜査するようウクライナ政府に圧力をかけたとされる。弾劾訴追決議ではこれを「権力乱用」と指摘。また、議会の弾劾調査に協力しないよう政府各機関に指示するなどした点を「議会妨害」とした。
 選挙に勝つという個人の政治利益のために外交を「私物化」した上、議会の正当な調査権を妨害したという重大な疑惑だ。前回、不倫もみ消し疑惑を巡る偽証や司法妨害で弾劾訴追された民主党のクリントン大統領よりも深刻だとの指摘もある。トランプ氏は潔白の証明に自信をみせるが、国家の安全保障や公正な選挙への懸念から起こされた今回の弾劾訴追をもっと重く受け止めるべきだ。
 追随する共和党議員の問題も大きい。弾劾訴追決議案の採決では、出席した共和党議員195人全員が反対票を投じ、一人も造反しなかった。自身の選挙への影響を考え、トランプ氏を表立って批判できる現職議員がいないのは由々しき事態だ。
 弾劾は憲法に規定された手続きであり、大統領ら公職者の暴走を防ぎ、三権分立を守る役割がある。弾劾裁判での議論は、大統領の権限をどの程度許容するかや、権力を監視する体制の在り方についても影響を与えかねない。とりわけ共和党議員は弾劾裁判で制度の意義をもう一度問い直し、慎重に判断せねばならない。
 米国の政治学者2人による著書「民主主義の死に方」(新潮社)では、かつての二大政党に関して、競い合う政党が互いを正当なライバルとして受け入れる「相互寛容」と、組織的特権を行使するとき政治家が節度をわきまえる「自制心」という二つの規範が米民主主義の「柔らかいガードレール」として機能してきたと指摘している。
 その上で、トランプ政権誕生で顕著となった政党の極端な二極化が民主主義のガードレールの力を弱め、人種や文化の対立にまで影響を及ぼしているとする。共和党、民主党ともに党利党略ばかりを追い求めては、国民の信頼はますます遠のくと自覚すべきだ。対立を乗り越え、民主主義を取り戻す端緒をつかんでもらいたい。


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