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愛媛新聞/2019/12/13 8:06
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201912130013

親の体罰禁止指針素案/しつけ名目の暴力根絶への一歩

 たとえ「しつけのため」でも暴力は決して正当化されない。社会全体でその認識を共有する第一歩としたい。
 子どもに対する親の体罰を禁じた改正児童虐待防止法などが来年4月から施行されることを受け、厚生労働省が体罰の定義を含む指針素案を示した。体罰を「子どもの身体に苦痛や不快感を引き起こす行為(罰)」と初めて定義。「長時間の正座」や「頰や尻をたたく」「夕飯を与えない」などの例を挙げた。
 体罰を受けた人は脳の一部が萎縮し、学習意欲の低下や、心の病の発症を招きやすくなるとの研究成果もあり、心身への長期にわたる深刻な影響が懸念される。しかしこれまでは児童相談所が虐待が疑われる事案に関与しようとしても、親から「しつけ目的」などと拒否される例も少なくなかった。今回の素案は、曖昧だったしつけと体罰の境界を明確にするもので大きな前進だといえる。児相が立ち入り調査や子どもの一時保護を行う根拠ともなろう。
 県内でも児童虐待の相談・対応件数は増えている。児相や市町が把握した件数は2005年度の444件から18年度は1792件に増加した。そのうち半数は、子どもの目の前で家族に対して暴力を振るうなどの心理的虐待だという。
 体罰を容認する声は根強い。非政府組織(NGO)「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」が17年に国内の2万人を対象に行った調査では、しつけのための体罰を容認する人は半数を超えた。子育て中の1030人の7割が、体罰の経験があるとも回答している。手を出すのは間違いだと理解していても、周囲に子育てをサポートしてくれる人や機関がなく、追い詰められている親も多いに違いない。体罰禁止の実効性を高めるためには、体罰に頼らないしつけの方法の周知や、児相のさらなる体制強化など、継続的な取り組みが不可欠だ。
 フィンランドの公的子育て支援施設「ネウボラ」の活動も参考になるだろう。妊娠段階から定期健診や悩み相談などのサポートを受けられる駆け込み寺のような存在だ。出産前から就学までの7年間、同じスタッフが対応するため、家族との信頼が生まれやすく、家庭の異変にも気付きやすい。県内市町でもネウボラがモデルの「子育て世代包括支援センター」の整備が相次いでいる。子どもや家族が発するサインを見逃さず、ためらうことなく介入するネウボラの対応も採り入れてもらいたい。
 今回の法改正では違反した親への罰則規定は設けられなかったため、効果を疑問視する声も上がる。ただ、スウェーデンやフィンランドでは法律で禁止したことで、体罰を容認する人の減少につながったという。親を追い詰めたり孤立させたりするのではなく、子育て世帯を社会全体で支援する前向きな仕組みづくりを、今後も最優先で進めるべきだ。


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