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徳島新聞/2019/12/9 6:06
http://www.topics.or.jp/articles/-/294869

鳴門市文化会館/免震工法で休館の回避を/

 耐震診断で強度不足と判定された鳴門市文化会館の存廃を検討してきた市が、会館を耐震補強して存続させる方針を示した。徳島を代表する名建築が解体されずに残ることをひとまず喜びたい。
 文化会館は1982年に完成し、築37年になる。コンクリート打ち放しの重厚な建物で、ホールの席数は1480席。音楽ホールとしては県内最大の収容人数を誇る。
 設計したのは元京都大教授で建築家の増田友也(1914~81年)。増田は61年から約20年にわたって鳴門市内に19棟の公共建築を生み出したが、文化会館の設計は足かけ9年に及び、鳴門における増田の活動の半分近い時間が注ぎ込まれた。増田は会館の完成を見ることなく他界し、この建物が氏の遺作にして代表作となっている。
 市は、今年5月に庁内組織「あり方検討会議」を設け、会館を耐震改修するか建て替えるかの議論を進めてきた。その結果、柱や壁など構造体の劣化が少なく、当面の財政負担も新築する場合に比べて小さいことから、耐震化が望ましいと判断した。
 とはいえ、耐震化にも多くの課題がつきまとう。
 一般的な耐震改修では、柱や梁を鉄筋補強によって太くしたり、柱のない場所に耐震壁を追加したりし、窓際には鉄骨ブレース(筋交い)を入れる。この方法では建物のデザインや空間が損なわれる可能性が大きく、工事期間中は建物が使えなくなるという問題も生じる。
 そこで検討してもらいたいのが免震レトロフィット工法である。建物の地下の基礎部分に免震装置を挟む工事を施し、地震のエネルギーを吸収させて建物の揺れを小さくする。この工法のメリットは、地上部分の建物のデザインや空間構成を変えることなく、工事期間中も従来通り建物が使える点にある。
 鳴門市文化会館の場合、特に強度が不足しているのはホワイエとホール内部だとされる。ホワイエとは建物に入った際に広がる大空間部分で、7・2メートル間隔に並ぶ下すぼみの柱が西洋の宮殿をイメージさせる。音楽ホールは市民が「非日常」を味わう場所であり、そこに武骨な鉄骨ブレースや太い柱は似合わない。
 ホールを使いながら耐震施工できる点も多方面から喜ばれるだろう。毎年6月にベートーベン「第九」交響曲演奏会が開かれ、国内外から600人の合唱団が集まる拠点でもある。徳島市の新ホールがいつできるか分からない中、県内で1500席規模のホールの空白期間をつくるのは極力避けたい。
 問題は、一般的な耐震改修より費用がやや高くなる点にある。しかし、耐震化や建築美の保持、休館の回避など一石二鳥、三鳥の効果が期待できる工法だ。国立西洋美術館や香川県庁舎東館、富山県民会館など多くの公共建築でも採用されている。鳴門市も選択肢の一つとすべきだろう。


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