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佐賀新聞/2019/12/3 6:06
http://www.saga-s.co.jp/articles/-/461096

裁判員裁判と二審/死刑存廃も含め議論を

大阪・ミナミの繁華街で2012年に男女2人が殺害された通り魔事件で裁判員裁判の一審大阪地裁判決が選択した死刑を破棄し、無期懲役とした二審東京高裁判決について、最高裁は支持する結論を出した。09年に裁判員制度が始まって以来、一審死刑判決が二審で覆され、無期懲役となった5件全てで二審の判断が維持された。
 殺人や強盗致死傷、傷害致死など重大事件の判決に市民感覚を反映させるのが裁判員制度の趣旨だ。制度導入前、最高裁司法研修所は二審について「裁判員の判断をできる限り尊重すべきだ」とする報告書を公表。12年には最高裁判決で、よほど不合理でなければ一審判決を尊重すべきだとの判断が示されている。
 裁判員の市民6人がプロの裁判官3人と評議を重ね、悩み抜いた末に出した結論がプロの裁判官のみによる二審でひっくり返されることに「制度の趣旨に反する」「何のための裁判員裁判か」など批判や疑問の声もある。とはいえ、死刑は被告自らの命で罪を償わせる究極の刑罰であり、慎重な適用が求められる。
 とりわけ、長年にわたり積み上げられた裁判例と比べて死刑判断の在り方が大きく変わるようでは、司法の根幹である公平性が揺らぐ。今回の最高裁判決をきっかけとして、国民一人一人が司法参加の意識を持ち、死刑制度の存廃も含め議論を深める必要があろう。
 死刑の適用基準としては、連続4人射殺事件で1983年の最高裁判決が示した「永山基準」がある。犯行の罪質、動機、執拗(しつよう)性・残虐性、被害者数、遺族の被害感情、社会的影響、被告の年齢、前科、犯行後の情状―と9項目を挙げ、これらを総合的に考慮し、やむを得ない場合に死刑の選択も許されるとした。
 ただ、どの項目に、どの程度重きを置くかは事件により異なり、裁判員はもちろん、プロの裁判官でも死刑適用の判断は難しい。大阪の通り魔事件の裁判で弁護側が「単独犯、凶器使用、被害者2人」の死刑求刑事件を巡り2008年以降の量刑を調べたところ、死刑5件、無期懲役3件という結果が出た。
 弁護側は計画性の低さも強調して死刑回避を求めたが、裁判員らは執拗性・残虐性を重視。これに対し、二審判決は計画性の低さなどを挙げ「死刑が適用されたこれまでの無差別通り魔殺人とは異なる」と指摘した。
 最高裁判決は被告に覚醒剤使用の影響があり、場当たり的な犯行だったことがうかがわれるとし、公平性の観点も踏まえ「一審判決を破棄し無期懲役とした二審判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めることはできない」とした。
 ほかに千葉県松戸市で09年に女子大生が殺害された強盗殺人事件など4件で前科を重視し過ぎている、被害者が1人では死刑が選択されない傾向にあるなどの理由で一審死刑判決の破棄が確定している。生きて社会復帰できる可能性のある無期懲役と死刑との隔たりはあまりに大きく、慎重に検討しなければならないのは言うまでもない。
 一方で、裁判員を重大な判決に関わらせる以上、なぜ死刑ではなく無期なのかについて、裁判所はより分かりやすく説明する必要がある。さらに政府や国会は長らく停滞している死刑制度を巡る情報公開や議論の環境整備に取り組むべきだ。


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