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岩手日報/2019/11/8 10:05
https://www.iwate-np.co.jp/article/2019/11/8/67636

国土強靱化

 各地に傷痕が深い台風19号は、国が「国土強靱(きょうじん)化」を進めるさなかで起きた。続発する災害に対策が追いつかない現状に、ハード防災の難しさが浮かび上がる。
 政府は昨年暮れ、国土強靱化の緊急対策を決めた。西日本豪雨などの痛ましい被害を受け、河川では堤防やダムなどの強化に3年間で1兆1千億円を投じる。
 台風が襲ったのは、多くの現場で本格工事が始まる矢先だった。記録的な大雨に事業が間に合わなかったのは、残念と言うほかない。
 さらに今回の台風は大きな川だけにとどまらず、中小の川による洪水が特徴だ。長野県の千曲川では、多くの支流やその支流、水路に至るまで氾濫している。
 岩手でも、久慈市では長内川の支流が氾濫して大きな被害を出した。他にも小さな川や、山沿いの沢の越水が確認されている。
 中小の川は、大雨で一気に増水する。沢や水路を含めて同時多発的に氾濫することもある。本流が増水して支流がせき止められる「バックウオーター現象」も各地で起き、被害を拡大させた。
 国土強靱化では、2300の河川で川底の掘削などの緊急対策を行う。だが中小の川は大きな川に比べて対策は遅れがちで、観測態勢が整っていないことも多い。
 国は中小の川にも監視カメラや水位計の設置を急ぎ、岩手でも整備が進む。だが今回の台風では、堤防が決壊した宮城や福島など13の川には水位計がなかった。
 中小の「支流」をどう治めるか。想定外の雨が続く中、重い課題が突き付けられたと言える。治水を望む住民の声は強く、早期に緊急対策を終えるよう求めたい。
 一方、ハード整備に限界があるのも確かだ。政府は、防災対策を主に1兆円規模とされる補正予算を編成するが、投じるお金と時間はいくらあっても足りない。
 国土強靱化は、旧民主党政権の「コンクリートから人へ」に対抗する発想から始まった。災害対策に無駄な公共事業が紛れ込む恐れが、かねて指摘されている。
 災害のリスクやコストを行政が明らかにしていくことが欠かせない。赤羽一嘉国土交通相は、小さな川にも浸水想定区域を設ける考えを示した。一歩前進だろう。
 浸水想定区域は、台風19号で堤防が決壊した川の多くで設けられていなかった。想定を小さな川にも広げるとなると自治体の負担が増す。国の支援は欠かせまい。
 中小の川でも災害のリスクを住民に認識してもらう。いざという時は適切な情報を出し、避難を促す。ソフト面の減災が一段と重要になる。


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