main menu
サイト内検索
ログイン
ユーザ名:

パスワード:



パスワード紛失

新規登録
OpenIDログイン

OpenIDを入力

mixi Yahoo! JAPAN Google BIGLOBE はてな livedoor エキサイト docomo ID

ツッCOM

切り抜き詳細

神戸新聞/2019/11/8 6:06
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201911/0012858777.shtml

コウノトリの郷/人と鳥が共生する未来へ

 国の特別天然記念物コウノトリの保護増殖と野生復帰の拠点である兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園が開園から20年となった。
 2005年に豊岡市で始まった放鳥事業は養父、朝来市に加え、福井など県外にも広がった。コウノトリの飛来地は全国47都道府県に達し、生息数は約180羽になるという。
 人が暮らす地域で大型の絶滅種を復活させる。世界でもまれな壮大な実験は、自然と人の共生モデルとして注目されてきた。20年の先駆的な試みの成果を生かしながら、課題に取り組んでいきたい。
 日本国内の野生コウノトリは1971年に絶滅した。その6年前に始まった人工飼育は苦難の連続だったが、平成に入って技術が確立され、飼育数が順調に増えた。
 だが、野生復帰の環境づくりは難題だった。絶滅時よりすみにくくなった地域の環境を大胆に改変する覚悟と発想の転換が求められた。
 最大のテーマは農業だった。コウノトリはドジョウやカエルなど「農業生物」の生態系の頂点に立つ肉食動物だ。野生復帰には河川とともに水田の生態系回復が欠かせない。
 コウノトリが生きていける環境は人にも安全・安心な環境になる-。そうした考え方を地域に広げながら、川と水田をつなぐ魚道整備を進めた。絶滅の要因となった農薬に頼らない稲作技術として、冬も田んぼに水を張る冬季湛水(たんすい)などの「コウノトリ育む農法」が県関係者や農家によって完成された。
 今では但馬地域は、全国有数の有機米生産地となった。環境改善と地域経済の創出につながる農業モデルを兵庫の他地域にもぜひ広げたい。
 コウノトリの野生復帰を支える地域づくりは、縦割りを超えたプロジェクトの好例ともなった。長年研究を続けてきた県教育委員会と、国や県の土木部門、農業部門、豊岡市、JAなどが目標を共有して役割分担し、課題解決に取り組んだ。
 地域環境の課題となっている自然エネルギーや水資源利用などでも多くの機関の連携が求められる。野生復帰事業で得られた経験や手法を生かすべきだ。
 飛来するコウノトリは、各地の農家や住民の意欲と誇りを高める存在となっている。一方で、電線など人工物による事故で死ぬケースも多発している。このため、郷公園は、飛来地向けに受け入れマニュアルをまとめ、活用を呼び掛けている。
 野生復帰は、環境、農業、生活など社会全体で意識改革と行動を求める事業だ。人とコウノトリがともに暮らせる持続可能な地域を実現するために、豊岡の経験が示す未来への道を、自信を持って進みたい。


コメント一覧


 

 

©太陽と風と水, 2011/ info@3coco.org  本サイトについて