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愛媛新聞/2019/9/11 8:06
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201909110019

北方領土交渉/行き詰まり鮮明/戦略練り直しを

 首脳会談を27回重ねても展望は開けず、むしろ解決は遠のいている感が否めない。安倍晋三首相がロシアでプーチン大統領と会談した。北方四島での共同経済活動に関し、早期の具体化を確認したが、肝心の領土問題を含む平和条約締結交渉での進展はなかった。
 ロシアが北方領土の実効支配を強めるさなかの会談であり、双方の溝を埋める難しさが改めて鮮明となった。首相はプーチン氏との個人的関係と経済協力をてこに停滞打開を目指してきたが、ロシア側に歩み寄る気配はない。このままでは経済協力だけ実行させられ、領土問題が置き去りになりかねない。首相は交渉の行き詰まりを認め、対ロ戦略を練り直すべきだ。
 両首脳は昨年11月の会談で、平和条約締結後に歯舞群島、色丹島の日本引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速させることで一致。しかしその後の交渉は進まず、日本が大筋合意を目指していた6月の大阪での会談も不発に終わった。
 領土の主権を巡る歴史認識の隔たりが依然大きい。ロシアは第2次大戦の結果として4島がロシア領になったと日本に認めるよう迫るが、日本側は北方領土は固有の領土であり、旧ソ連の占領以降、不法占拠されているという立場だ。
 それでも最近の首相は国会答弁などで「固有領土」の言葉を避け、最新の外交青書では「北方四島は日本に帰属する」との記述を消すなど配慮が目立つ。それに比べ、ロシアの振る舞いは看過できない。8月にはメドベージェフ首相が4年ぶりに北方領土訪問を強行。プーチン氏も首相との会談前にもかかわらず色丹島の工場稼働式典に中継映像を通じて参加した。日本が融和戦略で臨んでも交渉で妥協しない意思を明確にした形だ。
 安全保障上の問題も進展をより困難にしている。プーチン氏は島引き渡し後に日米安保条約に基づき米軍が展開する可能性や、日本が導入を進める地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を問題視する。その一方で北方領土での軍備増強を着実に進めており、これでは信頼醸成は容易であるまい。
 ロシアの世論調査では北方領土の日本引き渡しに国民の7割が反対し、さらに強権的な体制への不満から政権与党の支持率は過去最低となるなどプーチン氏にとって譲歩しづらい事情もある。交渉環境は厳しさを増していると言わざるを得ない。
 首相が旗を振る共同経済活動にしても、開始の前提となる両国の主権を害さない「特別な制度」の創設に妥結点が見いだせていない。日本企業のロシアへの投資の動きも鈍い。首相の戦略に限界が見えた以上、国民に交渉の現状をあいまいにするのではなく、丁寧に説明するのが筋だ。その上で打開策に知恵を絞る必要がある。展望が描けぬままでは、前のめりな交渉を続けても意味がない。


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