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福井新聞/2019/9/11 8:06
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/931618

あおり運転厳罰化検討/根絶向け策を尽くさねば

 「あおり運転」を巡り、政府や自民党が厳罰化を検討している。早ければ秋の臨時国会で法改正を目指すという。乗用車やバイクなどの後ろに付き、極端に車間距離を詰めたり、前に回り込んで強引に停止させたりするあおり運転は、これが原因となった死亡事故・事件も相次いでいる。危険排除に手段を尽くさなければならない。
 あおり運転は、神奈川県の東名高速で2017年6月、無理やり停車させられたワゴン車が後続トラックに追突され、夫婦が死亡、娘2人もけがをした事故を契機に大きく社会問題化した。ただ、現行の道交法には、あおり運転を正面から処罰する規定はない。
 東名事故を機に、警察庁は取り締まりを強化した。18年1月、危険運転致死傷罪や暴行罪など、あらゆる法令を駆使するよう全国の警察に通達。福井県の場合、県警が摘発した車間距離保持義務違反の件数は17年に3件だったものが、18年は42件。今年は7月末現在で45件となっている。
 ただ、同保持義務違反の罰則は高速道路の場合でも3月以下の懲役または5万円以下の罰金。軽すぎるという声は根強い。
 東名事故の横浜地裁判決は、高速道路上で停車させた行為は危険運転に当たらないとした。その上で「死傷の結果は妨害運転によって現実化した」と判断、あおり運転と夫婦死亡には因果関係があり、危険運転致死傷罪が成立すると結論付けた。堺市で昨年7月、バイクの大学生にあおり運転をした上に追突、死亡させた事件では、大阪地裁堺支部判決は殺人罪の成立を認めた。
 いずれも被告・弁護側は控訴。こうした行為は厳しく非難されるべきだが、高裁や最高裁で判断が分かれる可能性もある。加害責任について被害者や遺族から納得を得るためにも、あおり運転の定義や処罰規定を法律で明確にするべきだ。
 ドライブレコーダー普及も急務。茨城県の常磐自動車道で起きたあおり運転殴打事件は、逮捕された男があおり運転を繰り返した末に被害者の車を停車させ、窓越しに男性を殴るまでの一部始終が被害者側のドライブレコーダーに記録されていた。堺市の事件では、追突事故でバイクが転倒した後、加害側の男の「はい終わり」との発言が加害側のドライブレコーダーに残っていた。これらが立件の決め手になったとされる。一層の普及へ、費用補助など後押し策を検討してはどうか。
 あおり運転は、一歩間違えば死亡事故に直結する。ドライバーの2人に1人があおられた経験があるとの調査もあり、身近にあふれる危険だ。根絶へ向け行政は本腰を入れるべきだ。


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