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東奥日報/2019/8/6 10:05
http://www.toonippo.co.jp/articles/-/229508

危機感持ち真剣に和解を/米の対中制裁第4弾

 トランプ米大統領は中国からの輸入品3千億ドル(約32兆2千億円)に対して、9月1日から10%の制裁関税を課す意向をツイッターで明らかにした。第4弾の対中制裁となるが、これでほぼ全輸入品が追加関税の対象となる。中国は報復措置を検討しており、貿易摩擦の激化は必至だ。
 昨年7月に始まった米中の制裁関税合戦は、両国だけではなく、日本を含む世界各国の実体経済に深刻な打撃を与えてきた。米国の利下げ決定に続くトランプ発言で、ニューヨークや東京、上海、香港などの株は軒並み下落し、円高も進んだ。
 トランプ氏と中国の習近平国家主席は、貿易摩擦の世界経済への悪影響が、これ以上広がらないよう危機感を持って柔軟に対応し、真剣に和解を目指すべきだ。
 米政権は第1弾から第3弾までで、計2500億ドル分に25%の追加関税を課した。5月末には第4弾の対象としてスマートフォンや靴など約3800品目を発表した。6月末の米中首脳会談で発動先送りに合意し、7月末に上海で閣僚級協議を再開したが、不調に終わったためトランプ氏が発動を指示したもようだ。
 トランプ氏はツイッターで「3カ月前に中国と貿易協定を結べたと思ったが、中国側が再交渉を決めた」とし、中国が約束した米農産物の巨額購入についても「実施していない」と中国側の対応に不満を示した。中国商務省は米国が制裁関税を発動すれば「必要な報復措置を取らざるを得ない」と談話を発表した。
 米国は、中国に(1)貿易不均衡の是正(2)知的財産権の保護(3)外国企業に対する技術移転強要の停止-などを要求。中国側はこれに応じて構造改革に取り組む姿勢を示していたが、春から最終的な詰めの段階で膠着(こうちゃく)状態が続いている。
 米政権は中国の通信機器大手・ファーウェイの製品を通じた中国側の情報窃取を警戒し、同社の幹部訴追や製品排除などを行ってきた。安全保障絡みの同問題は貿易摩擦をさらに複雑化した。
 米国の企業や国民も制裁関税でマイナスの影響を受けており、米国ブランドのスマートフォンなどを含む第4弾については、産業界から反対の声が相次いでいる。
 中国の1~6月の対米貿易総額は前年同期比で14.2%減、4~6月期の国内総生産(GDP)は同6.2%増にとどまり、1992年以降で最低を記録した。当然のごとく貿易摩擦の影響は大きい。
 第4弾の制裁関税について麻生太郎財務相は「経済に影響が出る」と述べながらも、米中対立は経済関係にとどまらないとの見方を示した。
 ポンペオ米国務長官と先に会談した中国の王毅外相は、南シナ海が中国の「核心的利益」であることを尊重し、言動を慎むように要求。ポンペオ氏は「中国が振る舞いを改めてくれるよう望む」と述べた。このように対立は安全保障や政治問題にも及ぶ。
 米中新冷戦といわれる覇権争いを終わらせるのは容易ではない。ただ、世界第1、第2の経済大国の米中は自らの責任をきちんと認識し、公正なルールに沿って経済貿易関係を正常化するべきだろう。
 世界第3の経済大国である日本も、米国との貿易交渉や韓国との歴史・経済摩擦を抱えているが、米中の貿易摩擦を早期に解決するよう両国に働き掛けていきたい。


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