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佐賀新聞/2019/8/6 6:06
http://www.saga-s.co.jp/articles/-/409877

原爆の日/核のタブー、規範強化を

広島、長崎への原子爆弾投下から74年。広島は6日、令和初の「原爆の日」を迎えた。不可逆的な時の流れとともに、先の大戦はますます「遠い戦争」とならざるを得ず、新元号の施行がそのことを一層実感させる。
 今年3月末で被爆者健康手帳を所持する被爆者の数は14万5844人。被爆者の平均年齢は82・65歳。手帳所持者は1年前より9015人減った。近年9千人超の被爆者が毎年亡くなっており、被爆者がいなくなる日が確実に近づいている。
 それでも、ほぼ瞬時に約20万人もの命を奪った原爆投下という、人類史未曽有の惨劇を決して風化させてはならない。
 無数の罪なき人の生の営みを破壊し尽くし、残された遺族や孤児は戦後、塗炭の苦しみを背負った。しかも放射線に起因する障害に被爆者たちはおびえ苦しみ、後世にもその憂いを残している。
 いかなる理由であっても、生身の人間に核兵器を使うことは絶対に許されない。無差別で慈悲のかけらすらない核使用は明白な戦争犯罪行為だ。
 核兵器の不条理さと非人道性を深く胸に刻み、核を二度と使ってはならないとする「核のタブー」の規範強化へ向け、被爆国は全身全霊を傾けなくてはならない。その先にこそ「核なき世界」の視界が開けてくる。
 しかし、ここ1年間「核のタブー」を揺るがしかねない憂慮すべき事態が頻発した。まず運用可能な核弾頭約4千発をおのおの保有する米ロの動きだ。1988年発効の中距離核戦力(INF)廃棄条約が最近失効した。
 同条約は特定分野の核戦力全廃を義務づけた史上初の試みであり、冷戦終結の契機になった。実効性のある検証措置も盛り込んでおり、米ロ核軍縮のお手本ともなった。
 だがロシアは近年、条約違反の疑いが強いミサイル開発・配備を推進。中国の軍拡を警戒するトランプ政権はこの条約を「足かせ」とみなすようになり、「ロシアの条約違反」を理由に昨秋、破棄の方針を固めた。
 また2021年に期限の迫る新戦略兵器削減条約(新START)の先行きも見通せない。条約は5年間の延長が可能だが、米ロ間で交渉が進展している節はない。さらに最近明らかになった米軍の核運用指針には、戦闘中の限定核使用の効用を力説する記述すら見られた。「小型核」導入の動きも非常に心配だ。
 ロシアも米国に対抗しミサイル防衛網を突破する新型核の開発にまい進、中国の核保有数は300弱だが、着々と量的・質的増強を続けている。
 一方、3回の米朝首脳会談にもかかわらず北朝鮮の非核化は進まず、米国が離脱したイラン核合意は崩壊の危機にある。
 こうした中、トランプ政権に過剰同調する安倍政権は「核の傘」を優先し、被爆者らが署名を求める核兵器禁止条約に背を向けたままだ。
 一人の人間の力は小さく弱くても、一人一人が平和を望むことで戦争を起こそうとする力を食い止められる―。広島の松井一実市長は6日の平和宣言でこんな被爆者の声を紹介しながら、為政者や市民に「理性」と「寛容」の重要性を訴える。
 混沌こんとんとした核時代、異論を受け付けにくい不寛容な世の中、そして為政者の理性に不安を覚える昨今だからこそ、核被害の原点に立ち返りたい。そこにこそ核廃絶への道標がある。


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