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熊本日日/2019/8/4 8:06
https://kumanichi.com/column/syasetsu/1140749/

米の利下げ/金融政策の独立性に懸念

 米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が、リーマン・ショック後に事実上のゼロ金利政策を採用した2008年12月以来、10年7カ月ぶりに利下げを決めた。米経済の拡大局面は過去最長の10年を超える見通しで、雇用も消費も堅調の中で、極めて異例の措置である。

 0・25%の利下げに踏み切ったことについて、パウエル議長は、中国との貿易摩擦による経済減速などを懸念した「予防的」措置としているが、金融緩和を繰り返し要求してきたトランプ大統領の圧力は影響していないのか。世界経済への影響力も大きい米国の金融政策の独立性の揺らぎ自体に、懸念を抱かざるを得ない。
 たしかに、世界経済には、米中貿易摩擦をはじめ下振れリスクが近年になく多い。米中両国は貿易協議の再開で合意したとはいえ、隔たりがまだ大きい。英国の欧州連合(EU)離脱も不安要因だ。FRBが早めの利下げを決めたことも、ある程度は理解できる。
 しかし、最大のリスクである米中貿易摩擦を引き起こしているのは、そもそもがトランプ政権だ。今回の局面で、トランプ氏の利下げ圧力に屈し中央銀行の独立性が損なわれたと市場が受け取るようなことになれば、FRBに対する信頼は傷つき、今後の金融政策にも重大な支障が生じかねない。
 パウエル氏が追加の利下げについては慎重姿勢を示したことについて、トランプ氏は「がっかりさせられた」と早くも不満をもらしている。今回の利下げが対中強硬路線を支える形となり摩擦が長期化すれば、来年の大統領選を見据えたトランプ氏からの圧力は、さらに強まることが予測される。
 自身の通商政策のしりぬぐいをFRBに求めるのは筋違いである。トランプ氏は中央銀行の独立性を尊重し、FRBに介入する言動を直ちにやめるべきだ。そして、米中貿易交渉で早期に妥協点を見いだし、世界経済のリスク要因を自ら解消してもらいたい。
 景気が堅調な中での金融緩和には副作用がある。過熱気味の金融・不動産市場に緩和資金が流入すれば、バブル発生の恐れがある。景気後退時の利下げ余地も小さくなる。FRBにも、政治からの独立性を保つとともに、金融緩和のマイナス面に目配りする細心の政策運営を望みたい。
 欧州中央銀行(ECB)も9月にも利下げに踏み切る構え。韓国やトルコなど各国の中央銀行も相次いで金融緩和にかじを切っており、世界的な金融緩和競争に突入しつつあることも、特に日本経済にとっては気掛かりだ。
 内外の金利差縮小が意識されれば、円高圧力が強まるだろう。国内景気の足腰は弱く、10月には消費税増税も控えている。ここで円高が進めば、景気の先行きは一段と不透明になる。
 長らく超低金利政策を続けてきた日銀の追加策には、大きな期待はできない。政府には景気変調に向けた機動的な対応が、これまで以上に求められる。


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