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佐賀新聞/2019/8/2 6:06
http://www.saga-s.co.jp/articles/-/408181

揺れる虹の松原 保全と安全の両立へ知恵を/

一昨日(7月31日)の本紙第1面と社会面に、唐津市の虹の松原に関する二つの記事が載った。
 一つは全国高校総合文化祭で「守りそして伝える虹の松原」と題した唐津南高校の発表が、郷土研究部門の優良賞に輝いたという朗報。もう一つは倒れ込んだマツの木による先日の交通死亡事故を受けて、佐賀県唐津土木事務所が沿道のマツ254本の伐採許可を申請したという行政ニュースだ。
 全国の松原で唯一の国特別名勝で400年の歴史を持つ虹の松原を誇りとする若者と、道路管理者として事故防止を使命とする行政組織。不慮の事故で亡くなった男児を悼みつつ、松原の保護か道路の安全かで揺れる関係者の心情が、二つの記事と重なり合った。
 虹の松原では毎年100本以上のマツを伐採している。松食い虫の被害木で、被害がそれ以上広がらないよう「木を切って、木を生かす」ためだが、今回の伐採は違う。
 松原内は林野庁森林管理署が管理する一方、県道は県土木事務所の所管で、「道路上に落下する障害物があれば危険」として安全対策を講じる義務がある。文化財保護法上、伐採は教育委員会の許可が必要で、法的手続きに沿って唐津市教委に伐採許可を申請した。
 これまでも枝を切ることはあったが、幹ごと伐採するのは少なくとも20年近くなかったという。しかも二百数十本という数に、市民から驚きと反対の声が上がった。
 道路管理者の土木事務所と、松原の所有者である森林管理署、そして唐津市。それぞれに立場はあろう。ただ事故を受けた緊急措置とはいえ、松原とともに生きてきた市民への説明が不足し、当惑と不信を増幅したのは否めない。
 事故後6日間、県道約5キロが全面通行止めとなり、沿道の飲食店や土産品店から「死活問題」と悲痛な声が上がった。速度を30キロに制限するなど条件付きで通行止めを解除したが、今も尾を引く。
 松原では白砂青松の再生に向け市民や企業・団体7千人がボランティア登録し、一年を通じて区域を分担して松葉かきを行う。先の唐津南高校もプロジェクトの売り上げを清掃活動費として寄付している。そうした人々の思いをどこまでくんでいるのだろうか。
 過去の事例を探すと、国道だった昭和40年代初め、マツに衝突する事故が相次ぎ、20本を切ったという記事が目に付いた。それでも申請から約2年を要し、その間、マツに夜光塗料を塗って効果の有無を確かめた上で、伐採に踏み切った。
 唐津市は伐採の許可方針を棚上げし、佐賀県と協議していく考えを明らかにした。事故防止には伐採しかないのか、再調査は必要ないか。冷却期間を置く中で知恵を絞り、保全と安全の両立に向け最大限の合意点を探っていく。それが400年の歴史を受け継ぎ、次へ伝える者の使命だ。(吉木正彦)


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