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茨城新聞/2019/8/1 4:06
http://ibarakinews.jp/hp/hpdetail.php?elem=ronsetu&【論説】概算要求基準 財政再建へ具体策を

概算要求基準/財政再建へ具体策を

 政府は2020年度予算編成の土台となる概算要求基準を閣議了解した。7年連続で歳出全体の上限を設定せず、10月に実施する消費税増税に伴う景気対策を、19年度に引き続き実施、規模や内容は編成過程で検討するとしている。
  さらに成長戦略などの重点政策を優遇する「特別枠」を例年通り設け、合計4兆円超の上積み要求を各省庁に認める方針だ。
  日本経済は緩やかな成長が続いており、景気の底割れが懸念されるような状況ではない。消費税増税による消費不振や五輪後の景気落ち込みの恐れには目配りする必要はあるだろう。仮に一定の措置が必要だとしても、危機的状況に陥る可能性がない限り、政策対応の規模にはおのずから限度があろう。20年度予算編成は、社会保障政策の見直しと並行して、財政再建に向けた具体的な取り組みを本格化する機会にするべきだ。
  8月末までに要求を出す各省庁は、この基準に基づき、公共事業など政策判断で決められる裁量的経費を10%削減、人件費などの義務的経費についても圧縮する。こうした措置で削った分を、重点政策を優遇する「特別枠」の財源に充当する方針だ。
  こうした対策を講じても、既存の内容とほぼ変わらない政策を、あたかも成長戦略と関連するかのように装って非効率な政策が温存されたことがこれまで何度もあった。
  いったん確保した予算を保持しようという“省益”は財政再建以前の問題だ。要求の査定に当たる財務省には厳しい吟味を求めたい。国民が納める税金が無益な政策に使われることがあってはならないのは当然のことだ。
  歳出の3分の1を占める社会保障費を巡っては、高齢化の進展に連動した伸び(自然増)を、6千億円だった19年度の水準から約700億円少ない5300億円程度と見積もった。しかし、これは医療費を押し上げる75歳以上の人の増加ペースが一時的に緩むことからの機械的な減額にすぎない。
  団塊の世代が75歳以上になり始め、社会保障費が急増する22年が迫っており、制度の持続性を確保するための抜本的な改革が急務だ。政府、与党には、参院選で争点になった年金の給付水準や、支給開始年齢の引き上げ、後期高齢者の医療費窓口負担など痛みを伴う問題に正面から向き合う責任があることを改めて指摘しておく。
  財政再建は借金を現状以上に増やさないことが第一歩となる。そのためには歳出を歳入の範囲内に抑える必要がある。その目安が、政策経費を税収などの基本的収入でどこまで賄えているかを示す「基礎的財政収支」だ。成長率を現状と同程度の1%として内閣府が試算したところ、25年度の赤字は7兆2千億円に上る。25年度の黒字化を実現するには、相当思い切った歳入増と歳出削減が必要になる数字だ。
  10月の消費税増税は実施されるだろうが、その後はどうか。安倍晋三首相は10年間は消費税を上げる必要がないと表明した。経済成長による税収増を当て込んでいるようだが、楽観的と言わざるを得ない。米中貿易摩擦は長期化の様相を呈しており、欧州も英国の欧州連合(EU)離脱で波乱含みだ。そろそろ10%の次をどうするのか、具体論を考える時期だ。
 


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