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岩手日報/2019/7/24 10:05
https://www.iwate-np.co.jp/article/2019/7/24/60580

若年層の自死

 「自死に追い込まれる人が年々減っていることは歓迎したい。でも、子どもが自死を選ばざるを得ない社会って何なの?」。本県の自死遺族に向けられた問いが、いつまでたっても頭を離れない。
 今月、政府が閣議決定した2019年版「自殺対策白書」によると、18年の自殺者総数は2万840人で、9年連続で減った。人口10万人当たりの自殺者数を示す「自殺死亡率」も減少傾向にある。
 一方、若年層の自死は依然として歯止めがかからない。19歳以下は前年比32人増の599人で、死亡率2・8は統計を取り始めた1978年以降最悪となった。
 10~30代の死因の1位は自殺。国際的にも、15~34歳の死因1位が自殺になっているのは、主要7カ国(G7)の中で日本だけだ。
 自死の総数が減ったところで、次代を担う子ども、若者が生きる希望を持てない社会は、まともとは言えない。解決の特効薬はなく、いじめ、虐待、貧困などさまざまな課題への対応、会員制交流サイト(SNS)を活用した相談の充実など、総合的な対策を積み重ねていくしかない。
 本県はかねて自死予防が重要な課題。20歳未満の自死は年によって増減があり、一概に増加・減少の傾向を判断することはできないが、若年層の死因に占める自死の割合は高く、相談態勢や心の教育の充実などに力を入れている。
 若年層がSOSを出せる能力を高める取り組みは不可欠。併せて、周囲の大人たちも、SOSを受け止める意識を高めなければならない。
 かつて自死が年間3万人を超えていた日本。その現状を大きく変える原動力になったのが、親を自死で亡くした若者たちだった。
 2000年、大学生の遺児が中心になり、つらい胸中を記した小冊子を刊行。01年には遺児10人が首相官邸を訪れ、自死は「個人の問題ではなく、社会の問題」として対策の必要性を提言した。堂々と自らの思いを訴える姿が大きな反響を呼び、国を挙げての対策につながった。
 「最後の最後に必要なのは、人と人とのつながりだと感じています」。そんな遺児たちの思いに、いま一度、社会は向き合う必要がある。
 生きづらさを抱えて孤立している若い世代に対し、価値観を押し付けたり、問題行動を頭ごなしに怒ったりするのではなく、まずは、その声に耳を傾ける。そして、悩みの深刻度に応じて、相談機関に適切につなげていく。
 声を受け止める大人が一人でも増えることが、一人でも多くの命を救うことになる。その声は、生きやすい社会をつくっていく貴重な手掛かりでもある。


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