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佐賀新聞/2019/7/22 6:05
http://www.saga-s.co.jp/articles/-/403594

参院選 ゆがむ三権分立の修復を/

6年半の「安倍政治」に対する審判と位置付けられた第25回参院選は、自民、公明両党が改選過半数の議席を獲得、安倍晋三首相は引き続き安定した政権基盤を手に入れた。安倍首相が2012年に総裁に就任して以降、自民党は衆参両院選挙に6連勝したことになる。
 議席の数から見れば、与党の勝利と言える。ただ、有権者がもろ手を挙げて政権を信任したと判断するのは早計ではないか。与野党の多くの幹部や候補者らが「風はどちらにも吹いていない」と口をそろえていたように、今回の選挙戦は極めて低調だったからだ。
 それを象徴するのが投票率で、推計49・42%という数字は、もはや民主主義の危機と呼ぶべきレベルである。全有権者の半数足らずの意思しか反映されなかった議席、過去5回の国政選挙と同様に野党の非力さに救われていること、さらに比例代表や改選1人区で、少なからぬ政権批判票が投じられている点も軽視してはならないだろう。
 この1年に限っても、長期政権のおごりといえる不祥事が相次いだ。金融庁の審議会報告書をきっかけに国民の不安が広がった年金問題はじめ、人口減少や少子高齢化、地方の疲弊など「縮む社会」への対応、激動する国際情勢に対処する外交…と待ったなしの課題が山積する。安倍首相は慢心を戒め、腰を据えて取り組んでもらいたい。
 一方、野党は与党に対抗するため1人区の候補者を一本化して臨んだ。しかし、擁立・調整作業が遅れ、共闘の脆弱(ぜいじゃく)さも露呈し、政権を脅かすような勝負に持ち込めなかった。何よりも政権を担い得る勢力と有権者に見なされていないのは明らかだ。次期衆院選に向け、実現可能で魅力的な政策を磨き、選挙体制の構築に早急に着手しなければならない。
 振り返れば、ここ数年、森友、加計両学園問題、自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)、厚生労働省の統計不正、そして公文書改ざんという民主主義の土台を崩しかねない事態が発覚した。
 にもかかわらず、行政監視の役割を担うはずの国会は、その機能を果たしたとは、とても言えまい。政権の下請け機関とまでやゆされている状況を与党も、野党もしっかり自覚すべきである。
 安倍首相は今回の参院選で「政治の安定」を前面に出した。だが「1強支配」の進行に伴う弊害も際立つ。異論や疑問に真正面から向き合わないスタイルが、議論の喪失を招いたのは間違いない。いま日本の政治に求められるのは、1強の安定より、与野党間、そして与党内に「緊張感」をもたらすことではないか。
 論戦から逃げずに受けて立つ姿勢、異論にも耳を傾け、幅広い合意形成を目指す度量を見せてほしい。それが史上最長政権を目前にした、政治の「王道」と言えよう。
 衆院解散風で野党をけん制する手法を“封印”し、自ら「国難」と名付けた長期的な課題への処方箋を徹底的に練り上げていく、将来の不安を和らげ、希望の持てる社会を描くことに専念するときだ。衆参両院の多数の議席という政治的な資産はそのためにある。
 参院は「良識の府」「再考の府」と呼ばれ、かつては衆院と異なる独自性を発揮していた。今回の選挙を経て議員になる人たちの使命は、「言論の府」を復権させること、つまり1強でゆがんだ三権分立の修復だ。(共同通信・橋詰邦弘)


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