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茨城新聞/2019/7/21 4:06
http://ibarakinews.jp/hp/hpdetail.php?elem=ronsetu&【論説】参院選21日投票 未来を託す1票を

参院選21日投票/未来を託す1票を

 第25回参院選は21日、投票日を迎える。政権への「中間評価」となる参院選で問われるのは、約6年半におよぶ第2次安倍政権の総括だ。「1強体制」と呼ばれる政権に引き続き安定した基盤を与えるのか、政権運営と政策の転換を求めるのかが焦点の選挙となる。
  選挙戦で各党が訴えたのは、年金制度や消費税増税、憲法改正、地方の活性化、原発政策、貿易と安全保障が絡む日米関係などの課題だ。いずれも日本の将来に関わる極めて重要な論点である。誰に、どの政党に未来を託すのかを熟考し、貴重な1票を投じてほしい。
  心配なのは投票率の低下だ。共同通信社の終盤情勢調査では、参院選に「関心がある」と答えた人は68・3%で、2016年の前回参院選の調査より約4ポイント低かった。16年の投票率54・70%を下回ることが懸念される。
  自民、公明の与党は16年参院選で改選議席の57%の議席を獲得したが、選挙区での得票数は全有権者の約25%だった。「1強」とは言うものの、低投票率が続く国政選挙で、与党は全有権者の4分の1程度にとどまる得票で圧倒的多数の議席を占めているのが実態なのだ。これは健全な民主主義の姿と言えるだろうか。
  選挙戦で安倍晋三首相(自民党総裁)は「政治の安定」を強調し、政権与党の実績をアピールした。これに対して立憲民主党の枝野幸男代表は安倍政権下で起きた公文書改ざんなどの不祥事を挙げ、「透明性の高い、まっとうな政治」への転換を訴えた。
  争点の中で、有権者の関心が高いのは「老後に2千万円が不足する」と指摘した審議会報告書で浮上した年金問題だろう。自公両党は低所得高齢者への給付金支給を掲げ、安倍首相は「強い経済をつくることで、年金支給額を増やす」と強調した。だが、先行きが見通せない経済情勢頼りで安定的な年金制度が維持できるのかは疑問だ。
  これに対して野党側は制度改革を主張した。医療・介護などの自己負担額に上限を設ける「総合合算制度」の導入や、「積み立て方式」への移行などが各党の提案だが、財源の手当ては不明確だ。
  消費税増税を巡り、与党は10月からの税率引き上げとともに、消費の落ち込みを防ぐ増税対策に理解を求めた。野党は「国民の生活は豊かになっていない」として、そろって増税に反対した。暮らしに直結する争点をしっかりと考えたい。
  自民、公明に日本維新の会などを加えた改憲勢力が、非改選議席と合わせて改憲の国会発議に必要な3分の2以上の議席を維持するのかも焦点となる。安倍首相は自衛隊を明記する9条改正を訴え、「国会審議をする政党か、全くしない政党を選ぶのかを決める選挙だ」と主張。選挙後は改憲論議を強気に進める構えだろう。立民や国民民主党は改憲論議は否定しないが、安倍政権の改憲案に反対し、共産、社民両党は改憲に反対する。
  選挙戦中には公権力による「表現の自由」の侵害が懸念される事態も起きた。安倍首相の街頭演説中に「辞めろ」と声を上げた聴衆が、警察官によって強制的に排除されたのだ。警察はどういう法律的な根拠に基づいて、排除したのだろうか。
  一人一人が自由に意思表示できる社会が民主主義の基礎だ。投票はその重要な機会である。貴重な権利を行使したい。
 


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