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信濃毎日/2019/7/5 10:05
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190705/KT190704ETI090005000.php

改憲論議/国民は求めているのか

 参院選が公示され、各党や候補者は17日間の選挙戦に入った。争点の一つに挙げられるのが、改憲に対する考え方である。
 「国会議員としての責任を果たして議論する政党を選ぶのか、責任を果たさず審議を全くしない政党を選ぶのか」。自民党総裁の安倍晋三首相は第一声で改憲の審議に応じない野党を批判した。
 選挙が終わったら、結果を都合よく解釈して議論を加速させる考えなのだろう。
 改憲は国民の意思に沿うものなのか。国や社会の在り方に関わる問題である。自衛隊明記を掲げる自民をはじめ、各党の訴えに耳を澄まし、吟味したい。
<首相の悲願に向け>
 自民の公約は新しい時代の憲法を目指し、取り組みをさらに強めるとしている。条文イメージとして▽自衛隊の明記▽緊急事態対応▽合区解消・地方公共団体▽教育充実―の4項目を記した。
 今の自民案の発端となったのは2017年5月3日に首相が党総裁として語ったビデオメッセージだ。戦争放棄や戦力不保持を定める9条を維持したまま自衛隊を書き込むとの案を突然示し、東京五輪・パラリンピックの20年に施行したい考えを表明した。
 首相の悲願である改憲の実現に向け、慌ただしく取りまとめたのが条文イメージである。
 具体的な項目を提示することで議論の活性化を狙ったものの、思うように進んでいない。6月下旬に閉幕した通常国会で衆参両院の憲法審査会は実質的な論議を5月に衆院で1度行っただけだ。
 憲法審への党改憲案提示を目指していた自民は次の国会に持ち越さざるを得なかった。参院選で争点に据えるのは、行き詰まった状況の打開を図るためである。
<世論調査とのずれ>
 憲法審の議論が停滞しているのは、なぜなのか。原因はむしろ安倍政権の側にある。
 まず、改憲項目に説得力が乏しい。例えば、自衛隊明記で「違憲論争に終止符を打つ」という。これには連立を組む公明党も「多くの国民は自衛隊の活動を理解、支持しており、違憲の存在とは考えていない」と慎重な姿勢だ。
 教育の充実は政府として取り組めば済む。憲法を改めるまでもない。教育無償化を提案している日本維新の会を取り込む狙いは明白である。
 進め方にも問題がある。与野党の幅広い合意を丁寧につくる意識に欠ける。首相は18年の党役員人事で党憲法改正推進本部長に側近を据えた。野党との協調を重視した憲法審のメンバーも交代させている。強引に議論を進めようとする姿勢を印象付けた。
 国民の認識との隔たりも見過ごせない。本紙の参院選に関する世論調査で重視する政策には「医療・福祉・介護」「景気・雇用などの経済政策」が多く挙がった。有権者は改憲よりも暮らしに関わる課題への対応を求めている。
 共同通信社の全国電話世論調査では、安倍首相の下での改憲に反対が多数を占める。
 憲法改正は主権者である国民の要求が出発点であるべきだ。首相の信条に基づく「上からの改憲論議」にそもそも無理がある。
 立憲民主党の公約は、衆院の解散権制約や知る権利の尊重など国民の権利拡大の観点から憲法論議を進めるとしている。9条の改悪や解釈改憲への明確な反対も記した。国民民主党も同様に解散権や知る権利を論点に挙げる。
 首相は消費税増税延期などを理由に「大義なき解散」を繰り返した。知る権利を侵害する恐れがある特定秘密保護法を強引に定めてもいる。国会議員の責任を果たすというのなら、野党の提起を受け止めて議論すべきではないか。
 共産党は自衛隊を明記する案への反対や憲法の全条項を守ることを盛り、社民党は平和憲法に基づく安全保障政策の実現を掲げる。
<尊重擁護の姿勢は>
 自民案に反対する各党は、参院選後の国会で憲法審にどう臨むのか、明確にする必要がある。
 憲法を論じる前提として押さえておかなくてはならない点が、もう一つある。第2次安倍政権の発足以降、憲法を軽んじる振る舞いが繰り返されてきたことだ。
 14年の閣議決定は、歴代政権が許されないとしてきた集団的自衛権の行使に道を開いた。国会論議を通じて積み上げてきた政府の憲法解釈を一内閣の判断で捨て去るものだった。反対を押し切って成立させた安全保障関連法は違憲性を抱えたままである。
 憲法に基づく臨時国会召集の要求に応じなかったり、放置した揚げ句に冒頭解散に踏み切ったりした経緯もある。国会は政府の方針を追認するばかりで機能不全が著しい。国権の最高機関と呼ぶには程遠い状況が続いている。
 参院選は政権への中間評価と位置付けられる。憲法軽視の姿勢も問われるべき点である。
(7月5日)


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