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宮崎日日/2019/6/25 8:05
http://www.the-miyanichi.co.jp/shasetsu/http://www.the-miyanichi.co.jp/shasetsu/_39436.html

沖縄慰霊の日

◆「捨て石」の構図変わらない◆
 23日、沖縄は慰霊の日を迎えた。太平洋戦争末期の沖縄戦の終結から74年。沖縄県糸満市摩文仁(まぶに)の石碑「平和の礎(いしじ)」には、新たに判明した戦没者42人の氏名が刻まれ、総数は24万1566人となった。玉城デニー県知事は全戦没者追悼式の平和宣言で「人間が人間でなくなる戦争は二度と起こしてはならないと決意を新たにする」と表明した。改めて平和を誓う機会にしたい。
移設反対の声届かず
 沖縄は、本土防衛の時間稼ぎのための「捨て石」とされ、米軍との激しい地上戦が繰り広げられた。県民の4人に1人が亡くなったとされる。
 だが沖縄を本土から切り離す「捨て石」の構図は、今も続いているのではないか。米軍基地の過重な負担を押し付けている現状だ。米軍は沖縄を制圧した後、住民の土地を奪って基地を造った。一方で本土の米軍基地も次第に沖縄に移され、在日米軍専用施設の約70%が今、沖縄に集中する。
 この1年間を振り返れば、その構図はより鮮明になっている。県知事選や県民投票で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に何度も「反対」の声を上げているのにもかかわらず、政府は移設工事を強行している。
 玉城氏は「民主主義の正当な手続きを経た民意を尊重せず、地方自治をもないがしろにしている」と強調、辺野古移設断念を政府に強く求めた。
 日本を取り巻く安全保障環境は楽観視はできないが、大きく動いている。北朝鮮は朝鮮半島の非核化の意思を表明し、日中関係も改善の方向にある。安保環境の悪化を理由に、地元の理解を得られない基地負担をいつまで押し付けるのか。本土の負担も含めて総合的な安保政策を再検討すべきだ。
戦争の記憶は希薄化
 沖縄戦の「跡」は今も残る。宜野湾市では5月末に、小学生の男児が沖縄戦で使われたとみられる手りゅう弾を見つけ、投げて遊んでいた。爆発しない状態だったが、もしもと考えると恐ろしい。県によると、沖縄戦では約20万トンの弾薬が使われ、2018年3月末時点で約1963トンの不発弾が埋まっていると推定されている。
 一方で、戦争の記憶が薄れているのも現実だろう。その中で、戦後生まれの20~50代の「非体験世代」の研究者ら28人が「沖縄戦を知る事典」(吉川弘文館)を出版した。新たな史料も基に、日米両軍の動き、集団自決など、沖縄戦の実相を伝える取り組みだ。
 編者の吉川由紀沖縄国際大非常勤講師は「74年がたっても、私たちはあの時代と地続きであることから逃れられない」と指摘。「今の日本社会を『沖縄』抜きには語れない。小さな島に7割の米軍専用施設があり続ける理不尽さ、憲法がないがしろにされる異常さに、『沖縄』は気付かせる」と記している。沖縄戦から今に続く課題を本土のものとして考えたい。


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