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熊本日日/2019/5/27 10:05
https://kumanichi.com/column/syasetsu/1055306/

親の体罰禁止法案/マンパワー強化が必要だ

 衆院厚生労働委員会は、親による「しつけ」名目での体罰を禁止することを明記した児童虐待防止法と児童福祉法の改正案を全会一致で可決した。28日にも衆院本会議で可決、参院に送付される。
 改正案は、野党が提出した対案の一部を政府案に取り込んだ。与野党が足並みをそろえたことで、今国会で成立、来年4月に施行される見通しだ。
 法の実効性を高めるには、児童福祉司の増員などマンパワーの強化や、いつでも相談できる態勢の確保といった保護者への支援が欠かせない。現場の意見を十分に聞きながら、虐待から子どもを守るための取り組みを早急に進めてもらいたい。
 法改正は、昨年3月に東京都目黒区の船戸結愛[ゆあ]ちゃん(当時5歳)、今年1月に千葉県野田市の栗原心愛[みあ]さん(当時10歳)が虐待で亡くなった事件などを受け、検討されてきた。民法は親権者に子どもを懲らしめる「懲戒権」を認めており、同規定を削除すべきだという意見もあったが、民法改正には時間がかかるため関係法の見直しを先行させることになった。
目立つ心理的虐待
 二つの事件ではともに、親が虐待を認めず、児童相談所の介入を拒んだ。千葉の事件では、児相が心愛さんの一時保護を解除し、その後の家庭訪問が途絶えた中で最悪の事態を招いた。市教育委員会も父親の強い要求に屈し、父の暴力を訴えた心愛さんの学校アンケートを手渡していた。
 厚生労働省によると、全国の児童相談所が2017年度に対応した児童虐待の件数は13万3778件で、統計開始から27年連続で増加している。内容別にみると、子どもの前で配偶者に暴力を振るう面前DV(ドメスティックバイオレンス)や無視、暴言など心理的虐待が半数を超え、身体的虐待が約25%、育児放棄が約20%、性的虐待が約1%だった。
「介入」機能を強化
 改正案は、親権者や里親らによる体罰禁止を明文化。児相での一時保護など「介入」を担当する職員と、保護者の相談など「支援」を担当する職員を分け、介入機能を強化する。安倍晋三首相は「ちゅうちょなく一時保護に踏み切れるよう、大幅増員で必要な専門人材を配置する」としている。
 さらに、都道府県や児相は、虐待をした保護者に医学的・心理的な知見に基づく指導を行うよう努めると規定。児相で子どもらの対応に当たる児童福祉司についても、人口や対応件数を考慮し、過剰な負担にならないよう体制を強化する。
 また、学校や教育委員会、児童福祉施設の職員に守秘義務を課し、DV対応機関との連携も強める。子どもらが転居しても切れ目ない支援を続けるため、転居先の児相や関係機関と速やかに情報を共有することも盛り込んだ。
 体罰禁止を明文化したことは、「体罰に寛容」とも言われてきた国民意識を変える契機となるはずだ。ただ、法案に罰則規定は設けられていない。政府はしっかりと啓発活動に取り組むべきだ。
「懲戒権」の削除も
 児童虐待の加害者の大半は、実の両親だとされる。保護者間のDVや支配関係が背景にあるケースも少なくない。「虐待する親は自らが生きづらさを抱えている」という専門家の分析もある。子どもを守るには、暴力によらないしつけの在り方を伝えたり、DVや子育ての悩みの相談に応じるなど、保護者に対する指導や支援の拡充が鍵となる。そのためにもマンパワーの強化は欠かせない。
 厚労委は、民法の懲戒権の規定の削除を含めて早急に検討し、必要な措置を講ずるよう政府に求める付帯決議も全会一致で可決した。先送りされたその見直しも着実に進めなければならない。


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