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愛媛新聞/2019/5/26 8:05
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201905260007

景気判断引き下げ/変調の兆候/実態見極めが不可欠

 政府は5月の月例経済報告を発表し、景気の総括判断を引き下げた。3月に続く2カ月ぶりの下方修正だ。輸出や生産について4月までの「一部に弱さもみられる」から、「弱さが続いている」と後退させた。一方で「回復」という文言を残して基調は維持しており、玉虫色の内容となった。
 大幅な修正はせず、「緩やかに回復」との表現を維持した背景には、夏の参院選や10月の消費税増税をにらみ安倍政権の経済政策の不調を認めるわけにはいかない事情が透ける。だが、3月の景気動向指数で機械的に示す基調判断が景気後退の可能性を表す「悪化」とされていたのと矛盾する。経済に変調の兆候があるのは確かで、政治的思惑は排除して景気の実態を見極めなければならない。
 今回の月例経済報告では、主要な対中輸出品の電子部品に加えて鉄鋼など他の産業でも生産が停滞していることを考慮し、弱さを示す文言から「一部」を削った。項目別にみると、企業の設備投資は、中国減速で投資を先送りする動きが出ていることを反映させ、下方修正した。個人消費は、大型連休の旅行者の好調を理由に「持ち直している」に据え置いている。企業の業種によって景気認識は分かれており、各種経済指標の多角的な分析が不可欠だ。
 景気の現状を楽観視することは許されない。景気動向指数だけでなく、1~3月期の国内総生産(GDP)速報値も、民間の事前予測に反してプラス成長だったものの内容は決して良くなかった。輸出に加え、設備投資と個人消費が減少して停滞した。内需の弱さに伴い輸入が落ち込んだことによる計算上のかさ上げ効果で、マイナス成長を回避できたにすぎない。
 GDP速報値の内容では設備投資と個人消費がマイナスに沈んだことを重く受け止めたい。設備投資の失速は好調だった2018年10~12月期の反動減もある一方、輸出収益の悪化が企業心理を萎縮させた側面も否めない。個人消費も低調だ。景気の先行きが不透明で、消費者心理は冷え込んでいる。政府は内需の基盤はしっかりしていると強調してきたが、この認識を再検証することが必要になる。
 政府の裁量で表現を選択できる月例経済報告で今回、回復を維持したのは、増税は延期せず実行するという政府の意向の表れだろう。ただ、国民の間に景気回復の実感は薄く、野党側が「現実を直視していない」と批判を強めるのも無理はない。政府には今後の経済政策について丁寧に説明する責任がある。
 何より世界経済を混乱させている米中貿易摩擦への対応を誤ってはならない。世界的に生産拠点を中国からベトナムなどに移す動きがあり、同様に移転を考える日本企業には支援が必要だ。さらに追加関税が日本経済にいつ、どんな影響を与えるのか、具体的に試算し、的確な対策を検討することも急ぎたい。


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