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熊本日日/2019/5/25 10:05
https://kumanichi.com/column/syasetsu/1053001/

70歳雇用 総合的な制度設計が必要

 政府は未来投資会議で、希望する人が70歳まで働き続けられるよう就業機会の確保を企業の努力義務とする方針を示した。安倍晋三首相が掲げる「人生100年時代」を見据えた政策だが、社会保障費の抑制が目的であることは明らか。財政の安定化を目指すのであれば、社会保障改革と共に総合的な制度設計に取り組むべきだ。

 現行の高年齢者雇用安定法は、定年制度の廃止や延長、継続雇用の導入によって、希望者全員を65歳まで雇用するよう企業に義務付けている。
 政府案は65歳までは現行制度を維持し、70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする。その上で他企業への再就職や起業支援、個人の社会貢献活動への資金提供など七つの選択肢を提示しており、企業が本人や労組と話し合って選ぶ。政府は同法改正案を来年の通常国会に提出する。
 厚生労働省の昨年の高齢者雇用状況調査によると、定年後の継続雇用や定年制廃止に伴って66歳以上でも働ける企業は全体の約4分の1。60歳以上の労働者は前年より約15万人増加し約363万人。このうち、65歳以上は約156万人となっている。県内でも企業で働く60歳以上は3万6048人と10年前の2倍強。うち65歳以上は1万4943人を占め、10年前の3・7倍にまで増えた。健康寿命が延び、定年を過ぎても働く意欲のある人は年々増えている。
 継続雇用延長で課題となるのが高齢者の処遇だ。自社で引き続き雇用する企業が多いと見られるが、従来と同様のポストを用意すれば現役世代の不満を招き、組織の若返りが遅れる。
 定年後は一般的に賃金が下がるため、高齢者には不満が大きく、不当な賃金差別として会社を提訴するケースも相次ぐ。正社員と非正規労働者の不合理な待遇格差を認めない「同一労働同一賃金」制度が来年4月に始まり、定年後の継続雇用も対象となるが、高齢者の処遇改善につながるかは未知数だ。企業は高齢者が納得できる労働条件を整備することが引き続き求められる。
 財務省などは原則65歳からの公的年金の支給開始年齢について、希望すれば70歳以降に引き上げられる案も検討している。ただ政府は、今回の継続雇用延長に伴う支給開始年齢の引き上げは実施しない方針だ。夏の参院選などを控える中、国民の反発を招きかねない社会保障改革は先送りしたとみられる。
 2040年には高齢者数がピークを迎え、年金や医療、介護などにかかる社会保障給付費は約190兆円と18年度の1・6倍になると推計される。高齢者が安心して暮らせる社会と財政安定化の実現には、雇用延長にとどまらず、社会保障制度に関する国民的議論が必要なことは言うまでもない。
 政府は解決策を企業に委ねるだけでなく、人生100年時代にふさわしい働き方と、それを支える全世代型の社会保障の方向性を明確に示すべきだ。


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