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神戸新聞/2019/5/25 6:05
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201905/0012362996.shtml

豊島さん三冠/将棋の新時代担う棋士に

 尼崎市在住の将棋棋士、豊島(とよしま)将之さん(29)が、最も伝統のあるタイトルの名人位を獲得し、王位、棋聖と併せて現役最多の三冠になった。
 三冠達成は6年ぶり史上9人目の快挙だ。関西勢では神戸市出身の谷川浩司さん(57)以来31年ぶりとなる。偉大な先輩と並び称され、成し遂げたことの大きさを改めて実感しているに違いない。
 「眠れる獅子」が完全に目を覚ました。“天才少年”として早くから将来を嘱望されていたものの、なかなかタイトルを手にできなかった。しかし、昨年7月に初の栄冠となる棋聖を奪取すると、2カ月後には王位をつかんだ。いま最も勢いのある棋士の一人と言っていい。
 これに満足することなく、精進を重ね、さらなる活躍を見せてほしい。
 飛躍のきっかけは、最近流行のコンピューターソフトの活用だ。5年ほど前から将棋の研究に取り入れた。もともと序盤から終盤まで隙がなく、あらゆる戦型を使い分ける「万能型」として知られていたが、さらに実力に磨きをかけた。
 将棋界ではいま、関西勢の躍進が目覚ましい。八大タイトルでは、豊島さんの三冠のほかに、奈良県出身の斎藤慎太郎さん(26)が王座を保持する。今年2月までは、加古川市出身の久保利明さん(43)も王将を手にしていた。長らく関東中心だった勢力図が変わりつつあると言える。
 ともに加古川市にゆかりのある稲葉陽(あきら)さん(30)=西宮市出身=や菅井竜也さん(27)ら若手の実力者も控えている。この流れに乗って、西からもっと風を吹かせてもらいたい。
 振り返れば、平成は羽生善治さん(48)の時代だった。タイトルを独占するなど圧倒的な力を見せつけた。世代交代期を迎えた近年は群雄割拠の状態になり、そうした中で、豊島さんが頭一つ抜け出た形だ。
 6月4日に始まる棋聖戦では、棋王と王将の二冠の渡辺明さん(35)の挑戦を受ける。初の防衛戦は、これまで以上に緊張感のある対局になるだろう。
 強敵を相手にしっかり実力を発揮し、令和を代表する棋士への足掛かりにしてもらいたい。


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