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奈良新聞/2019/5/24 12:05
https://www.nara-np.co.jp/opinion/20190524083839.html

質の観光へ転換を - 編集委員 高瀬 法義

 日本政府観光局が21日、発表した訪日外客数の4月推計値は前年比0・9%増の292万7千人。昨年4月の290万1千人を上回り、月間の過去最多記録を更新した。4月までの累計も1098万1千人と早くも1千万人を突破。昨年に続き年間3千万人を上回る可能性が高く、政府が掲げる令和2年の年間訪日客4千万人の目標達成も見えてきた。県によると、県内でも平成29年、訪日外国人客数が200万人を突破。奈良公園周辺では連日、中国や韓国などの外国人観光客でにぎわう。
 観光産業は製造業に代わる日本経済を支える基幹産業として期待される。しかし、外国観光客に限ったことではないが、急激な観光客増加を原因とした「観光公害」というべき状況が各地で起こっている。特に顕著なのが、本県と隣接した観光都市・京都で、混み過ぎて路線バスに乗車できなかったり、観光客が捨てるごみが問題となったり、市民生活にも大きな影響を与えている。
 京都と同様、観光地と市民の生活空間が隣接した奈良も決してひとごとではない。行楽シーズンには奈良公園周辺の交通渋滞が常態化する。県はその対策として、今春、県営大仏殿前駐車場を廃止し、県庁横に「登大路バスターミナル」を開業。県庁以東の観光バスの乗り入れ抑制を図った。しかし、改元前後の10連休中にも時間帯によっては大渋滞が発生。本社編集部には「市内循環バスが動かず、途中で降ろされた」との苦情があった。同ターミナル開業による渋滞防止への効果や影響は、詳しい調査を待たないと分からないが、観光公害防止には引き続き対策が必要だ。
 東洋文化研究者のアレックス・カー氏は共著「観光亡国論」(中公新書ラクレ)の中で、その対策として適切な「マネージメント」と「コントロール」の必要性を強調。思い切った車両規制による「歩く観光」への転換のほか、世界的に見ても安価だという寺社の拝観料や博物館入場料の見直しなどの対策を示す。「不便だ」「高い」などの声もあるだろうが、カー氏は「その場所をきちんと評価し、大事にする客が増えて、どうでもいい客は減る。それによって、観光地はレベルアップできる」。
 世界に誇る多くの歴史遺産を持つ本県だからこそ、観光地としてレベルアップしなければ。著名な寺院や名所旧跡だけに頼った観光だけでは、いずれ飽きられてしまうだろう。観光の「量」から「質」への変換が必要だ。


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