main menu
サイト内検索
ログイン
ユーザ名:

パスワード:



パスワード紛失

新規登録
OpenIDログイン

OpenIDを入力

mixi Yahoo! JAPAN Google BIGLOBE はてな livedoor エキサイト docomo ID

ツッCOM

切り抜き詳細

福島民報/2019/3/11 10:05
http://www.minpo.jp/news/detail/2019031161054

震災原発事故8年/どこへ行くか

 忘れられない画題がある。「われわれはどこから来たか。われわれは何か。われわれはどこへ行くか」。フランス人画家ゴーギャン最晩年の作だ。二〇二一年度以降の復興庁の後継組織設置が固まり、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興は新たな局面を迎える。本県の今の姿と、取るべき態度を画題は表しているように思える。
 地震や津波の被害を受けた沿岸部や内陸部は、社会基盤の整備が進んでいる。津波被災地の復旧・復興事業は帰還困難区域を除き、二〇一八(平成三十)年度中に箇所数で93%が完了する。東北中央自動車道、JR常磐線など交通インフラも整いつつある。
 ただ、進み具合は「一様でない」ことを肝に銘じなければならない。特に浜通りの市町村長は実感に濃淡がある。
 「帰還した町民の割合は約九割になった」「安心して生活できる環境が整ってきた」。本紙の取材に手応えを語る首長がいる。一方、「復興はまだ緒に就いたばかりだ」「帰還率は思うように上がらない」「構想や計画が具現化する。『帰町元年』として、町の復興にようやく一歩を踏み出す」と困難な現状や悩みを吐露する声もある。
 置かれた状況が異なる中、古里の暮らしを取り戻し、住み良い環境をつくろうと行政や住民は懸命に取り組んでいる。とはいえ政府の計画や予算執行通りに復興が進むとは限らないことを示している。
 そんな中、復興庁後継組織と今後起きる可能性の高い大規模災害に備えた防災対応組織の一体化を目指すべきとの意見がある。災害復興がなおざりになりかねず、現実的ではない。現に進行中の復興事業と原発廃炉に国力を注ぐ体制を維持すべきだ。
 復興・創生期間終了は二年後に迫る。本県はそれ以降の青写真をどう描き、実現すべきなのか。政府の支援はもちろん、自助の心構えが求められる。災害と人口減少による地域の活力低下が指摘されるが、気候風土に育まれた農林水産業や、ものづくりの力に可能性を見いだそうとする動きが出ている。文化やスポーツで活躍する若者が次々に現れ、移住者や観光客は増えている。本県の魅力に自信を持ち、磨いて生かす工夫が活路を開くに違いない。
 西洋の宗教と文明に疑問を抱いたゴーギャンは南太平洋に移り住み、人間本来の在り方を見つめようとした。日本が経験したことのない状況下にいるわれわれも経緯と現状を冷静に認識し、県土再生に向けて未来への視座を定める時期に来ている。(鞍田炎)

コメント一覧


 

 

©太陽と風と水, 2011/ info@3coco.org  本サイトについて