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福島民報/2019/3/5 10:05
http://www.minpo.jp/news/detail/2019030560848

ADR和解案尊重/首相の発言は重い

 東京電力福島第一原発事故の被害者が申し立てる裁判外紛争解決手続き(ADR)が曲がり角を迎えている。二〇一八(平成三十)年末までに約二万三千件の手続きが終了した。このうち、東電の和解拒否で打ち切られた件数は、百二十一件に上った。
 安倍晋三首相は二月二十五日の衆院予算委員会で「東電は和解案の尊重を自ら表明しており、誠実に対応することは当然の責務だ。経済産業省からしっかり指導させたい」と述べた。東電は答弁を重く受け止める必要がある。
 百二十一件には浪江町の約一万五千人、福島市渡利地区の約三千百人の集団ADRが含まれる。昨年四月、当時の馬場有浪江町長(故人)は「和解案の尊重を誓いながら拒否し続けた東電の不誠実な姿勢は許されるものではない。原発事故の加害者としての意識がひとかけらもない」と怒りをにじませた。
 原発事故に伴う東電の賠償基準を定めた「中間指針」がある。国の原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)が決める。原発賠償を研究する専門家は「一つの地域で中間指針を上回る賠償を認めると、他の地域でも賠償増額を求められる恐れがあるため、東電は和解案を拒否しているのではないか」と分析する。
 中間指針は原賠審が二〇一一年八月に定めて以来、その後の検討事項を加えた「追補」が四回出されたが、賠償額の基本的な見直しはされていない。被災者は生活再建に苦しんでいる。被災地の実態と暮らしに適切に対応しているかを確かめるべきではないか。
 ふくしま原発損害賠償弁護団は一月十八日、原賠審に中間指針の見直しを求める申し入れ書を提出した。原賠審は同二十五日、定例会合で「直ちに見直しや改定の必要はない」などと結論付けた。指針の見直しは今後も続けるとしたが、被災者の思いをくみ取っていない状況を追認していると言われても仕方がない。
 和解案が拒否された住民は裁判に持ち込むかどうかの判断を迫られる。訴訟は費用がかかる上に、長期化は避けられない。「迅速かつ適正な解決」というADRの目的が果たせない現状では、住民は無力感が募るだけだ。
 首相発言を機に、国のリーダーシップで実効性ある対応がなされるかを被災者は注視している。原発事故から八年がたち、申し立てが続く間に亡くなった人は多い。原発事故の被災者の早期救済をうたうADRの存在意義が問われている。制度の根幹に関わる。国、東電は早急に対策を講じるべきだ。(浦山文夫)

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