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奈良日日新聞/2019/2/22 12:05
http://www.naranichi.co.jp/20190222is546.html

知事選告示まで1カ月/「後先」より「政策議論」を

 しばしば選挙に当たっては「後出しじゃんけん」が話題に上る。他の人が出した後に手を出すことから、選挙戦でも、条件を整備しながら、趨勢(すうせい)を見極めた上で、打って出るという意味で使われる。
 東京都知事選では、平成7年から26年までの4度の選挙で、いずれも最後に出馬表明した候補者が当選、後出しじゃんけん有利説が唱えられたものの、28年の選挙では真っ先に名乗りを上げた小池百合子氏が当選した。
 ただ、この戦法は、終盤に表明することで注目度を集める方法であり、他候補に比べ準備が遅れるなどリスクは大きく、元々知名度の高い候補者でない限り、戦術としては使いづらい面があることは言うまでもない。
 統一選第1ラウンドの知事選の告示日まで1か月を切った。現職で4選を目指す荒井正吾氏に、医師で新人の川島実氏、元参院議員で新人の前川清成氏が挑む構図。荒井、川島両氏が昨年12月に出馬を表明、1月に前川氏が名乗りを上げており、後出しは前川氏になる。
 川島氏が代表を務める政治団体の講演会でも「川島が先に表明した」「後から表明した前川が降りれば済む話」と後先議論で怒号が飛び交う事態に。
 事の発端は、川島氏が出馬を表明する以前の12月7日(川島氏の出馬表明は18日)に、元生駒市長の山下真氏が仲介するなか、川島、前川氏両氏が「一本化」に向けて覚書にサインを交わしたことにある。言わば密室での談合である。
 その10日後に川島氏が、1か月後に前川氏が出馬を表明するわけだが、表明時点で両氏ともに選挙への出馬意志を持っていることをお互いに分かった上での覚書である。
 にもかかわらず、川島氏は「自分が立候補を取りやめる可能性がある一本化には応じられない。覚書は破棄する」と一方的な決裂宣言。その理由として「覚書には非公表と書かれていたにもかかわらず、前川氏が『一本化』を明らかにしたこと」などを上げた。
 これを受けて前川氏も「約束をほごにしたのは川島氏」とし、自身は選挙準備を着々と整えることを明言。「一本化議論」は事実上決裂した。
 「後出しじゃんけん」の話に戻るが、23年の知事選では、告示日前日に県医師会会長で新人の塩見俊次氏が立候補を表明、究極の後出しじゃんけんとなり、公約を「関西広域連合への参加」の一点に絞ったワンイシュー選挙で約22万票を獲得し、大逆転劇とはならなかったものの、周囲を驚かせた。
 また、27年の同選挙では荒井県政を徹底的に批判した山下真氏がこちらも約22万票を獲得。山下氏は前川氏同様、告示3カ月前の1月の出馬表明だった。
 結果だけをみれば、後であろうが先であろうが関係はなく、現荒井県政に批判的な有権者が20万人ほどいるということになる。この20万票を川島、前川両氏で分け合うことになれば、荒井氏の優勢は推して知るべしで、「後先」でいがみあっている場合ではない。「政策議論で一本化を」と求める支援者もいるが、川島氏の耳には届かない。





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