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福島民報/2019/2/14 10:05
http://www.minpo.jp/news/detail/2019021460259

豪州で震災絵日記/被災地の喜怒哀楽届け

 震災と原発事故後、多くの福島県民の気持ちを代弁してきた風刺画が、遠くオーストラリア・メルボルン市で人々の目を引きつけている。毎週日曜日、福島民報のひろば欄に連載している南相馬市鹿島区の画家朝倉悠三さん(78)の「震災絵日記」約四百点のうち七十三点が、風刺漫画に関する学会の記念イベントとして展示された。「怒」と「哀」が少し重めの被災地の「喜怒哀楽」が、現地の人々の心に届くことを願っている。
 長く県立高で美術を教えてきた朝倉さんは二〇〇〇(平成十二)年、相馬高教諭を最後に定年退職。相馬野馬追の絵にライフワークのように取り組むとともに、幅広い分野で画業を積み重ねてきた。
 震災で会津若松市に避難すると、何もする気が起きず、ぼうぜんとしていた。五月から「震災絵日記」の場を得て描き始めると「一枚の絵なら展覧会に出して終わりだが、新聞なら多くの人に見てもらえる」と、やりがいを感じられるようになった。
 初期は被災者の切実な思いを写実的に描いた作品が多い。「アー、早く家に帰っちぇー」と肩を寄せる避難所の老夫婦。「悔しくて、哀しくて…」とトラックの牛たちを追う人、手を合わせる人。「嵐の夜…ボロボロになって飼い主を探す犬」という作品がある。避難先から一時帰宅する途中、飯舘村で出会った犬は食べ物を与えると、どこまでも追い掛けてきた。「犬は自分で餌を探せない。泣きながら描いた」と振り返る。
 批判は当然、政治、官僚、東京電力に向かう。被災地のことを忘れてしまったかのような振る舞いを責め、皮肉った。報道を踏まえながらも、独特のユーモアと被災地の生活感をまとった表現は反響を呼んだ。「よく描いてくれた」という声も届いた。「庶民感覚として復興はまだ遠い。権力に対する批判は忘れないでいたい」という。
 展示会を企画した大東文化大教授のロナルド・スチュワートさんは「震災絵日記」に関する論文で、日本の多くの政治漫画は批判を恐れ、表層的に説明するだけと指摘する。朝倉さんは被災地にしっかり立脚していたからこそ政治への皮肉にも共感を呼んだとみている。
 「絵日記」という表現は、言語の異なる人にも見ただけで分かる感情を届けられたはずだ。日付を追って見れば、被災地の移り変わりも分かる。あの時、何に怒り、何にかすかな喜びを感じたのか。被災地の喜怒哀楽をたどる「記憶遺産」としても残すべき価値がある。(佐久間順)

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