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熊本日日/2019/1/11 10:05
https://kumanichi.com/column/syasetsu/790677/

勤労統計問題/政策の信頼性が失われる

 賃金や労働時間の動向を把握する毎月勤労統計の調査が、2004年から約15年間にわたり、本来とは異なる不適切な手法で実施されていた。この統計を基に算定する雇用保険の失業給付などの過少給付総額は数百億円規模に上るとみられ、政府はその支払いのため、19年度予算の組み替えを検討するという。
 勤労統計は政府の経済分析など幅広い分野で用いられ、国の統計のうちでも特に重要なものと位置付けられている「基幹統計」だ。その影響は大きく、行政調査のみならず、統計データを根拠にしている政策の信頼性も失われる由々しき事態である。
 勤労統計は厚生労働省が毎月、従業員5人以上の事業所を対象に調査し、従業員500人以上の場合は全てを調べるルールとなっていた。しかし、東京都内では全数調査対象の3分の1程度しか調べられていなかった。さらにデータの正しさを装うため、改変ソフトまで作成していたという。
 賃金が比較的高いとされる大企業の調査数が少ないと、実際よりも金額は低く集計される可能性が高い。このため、勤労統計を基に算定している失業給付の上限額や労災での休業補償給付額に影響し、対象者は不利益を被っていたことになる。
 さらに、勤労統計のデータは、月例経済報告や景気動向指数に加え、最低賃金や人事院勧告、春闘の資料などにも使われている。政府の政策判断にも影響が及び、景気対策などが実態とは違う数字を前提に行われていた恐れもある。国際的にも、国の統計や政策の信頼性を大きく損なう不祥事だ。
 厚労省の調査を巡っては昨年、働き方改革関連法制定に伴う労働時間調査でも、多くのずさんなデータが発覚。裁量労働制の適用拡大を同法案から削除する事態にまで至った。
 労働時間調査で厚労省は、「調査や記入方法を担当者に徹底できなかったことによるミス」と釈明していた。しかし、今回は改変ソフトまで作成し正確さを装っており、多くの職員が意図的に継続して関わっていた疑いが強い。
 勤労統計は、調査対象の事業所に正確な報告を義務付け、虚偽報告した場合は罰金も課される。昨年発覚した中央省庁や自治体による障害者雇用水増し問題と同様に、民間には厳しい対応を迫りながら自身には甘い行政の体質が、今回も露呈したと言えるのではないか。
 根本匠厚労相は、11日の閣議後会見で問題の詳しい内容を発表するという。根本氏は昨年12月20日に報告を受けていたが、厚労省は翌21日に、問題を明らかにしないまま昨年10月分の勤労統計を発表していた。そうした対応も厳しく問われよう。
 今回の問題の背景には、「行政の統計部門の手薄さがあるのではないか」との指摘もある。早急に統計調査手法を是正するとともに、徹底検証して原因と全容を明らかにしてもらいたい。


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