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愛媛新聞/2019/1/10 10:05
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201901100014

公益通報保護法見直し/告発者守り抜く原点に立ち返れ

 組織の不正を内部告発した人を報復から守る公益通報者保護法の改正に向け、内閣府消費者委員会の専門調査会が報告書をまとめた。告発経験者の切実な訴えはことごとく見送られ、企業側に配慮し過ぎる内容となったことに失望を禁じ得ない。
 現行法は、雪印食品の牛肉偽装事件や東京電力の原発トラブル隠しが内部告発で発覚したのを機に議論され、2006年に施行された。しかし当初から告発者を守り切れないとの批判が強く、施行後5年で見直す規定も順守されなかった。告発を理由に不当な解雇や降格処分を強いられる人が後を絶たないにもかかわらず、告発者の保護が一向に進まない事態を強く危惧する。
 企業でデータ改ざんの発覚が相次ぎ、日本の「ものづくり」への信頼が揺らぐ中、不正を見逃さない社会の実現がかつてないほど求められている。告発を通じて不祥事を明るみにし、消費者の利益を守る―。政府は制度の原点に立ち返り、安心して声を上げられる環境整備を急がなければならない。
 報告書には、保護対象を現役社員だけでなく、役員やOBにも広げる▽従業員300人超の企業には通報窓口設置を義務付ける▽報復した企業は是正勧告し、従わない場合は企業名を公表する―などの改善策が盛り込まれた。
 しかし、経済界側の反対で見送られた項目は多い。不正を知りうるのは内部の人とは限らないが、社員の家族や取引先は保護対象から外した。通報窓口の担当者に守秘義務を課すことも本人の負担が重くなるとして見送った。これでは通報者の特定につながる情報漏れを防げない恐れが残る。
 告発経験者が強く求めていた報復企業への刑事罰の導入を盛り込まなかったことも看過できない。報告書は、あくまで指導や勧告といった行政措置で是正を図るべきだとの立場だが、報復を防ぐ有効策になるとは考えづらい。
 報道機関など外部に通報した際の保護についても改善されておらず問題だ。勤め先であれば「通報すべき事実があると思う場合」保護されるが、外部への場合は「勤務先に通報すれば、証拠隠滅の恐れがあると信じる相当の理由がある」など厳しい条件をクリアしなければ救済されない。これでは情報が握りつぶされる心配があるばかりか、外部への通報に二の足を踏みかねず、不正が埋もれる懸念が拭えない。
 告発者の立場が十分反映されなかった背景には、専門調査会の構成に問題があったと言わざるを得ない。企業側の委員は含まれていたが、告発経験者やメディア側の委員は誰もいなかった。報告書の答申を受け、政府は法案づくりに本格着手するが報告書が見送った項目についても告発者を守る視点で議論をやり直すべきだ。制度を形骸化させてはならない。


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