main menu
サイト内検索
ログイン
ユーザ名:

パスワード:



パスワード紛失

新規登録
OpenIDログイン

OpenIDを入力

mixi Yahoo! JAPAN Google BIGLOBE はてな livedoor エキサイト docomo ID

ツッCOM

切り抜き詳細

茨城新聞/2019/1/6 4:05
http://ibarakinews.jp/hp/hpdetail.php?elem=ronsetu&【論説】公益通報見直し 制度の原点に立ち返れ

公益通報見直し/制度の原点に立ち返れ

 企業などの不正を内部告発した人を報復から守る公益通報者保護法の改正に向け、内閣府消費者委員会の専門調査会は報告書をまとめた。雪印食品牛肉偽装や東京電力原発トラブル隠しと大企業の不正が内部告発で明らかになり、この法律が2006年に施行されたが、通報しづらい、通報者を十分に守れないなどの指摘が絶えなかった。
  このため消費者庁の有識者検討会が16年に通報者が不利益な扱いを受けないよう制度拡充を求める報告書をまとめ、昨年1月から専門調査会で検討が重ねられてきた。しかし報告書を見ると、経済界からの激しい抵抗もあって制度拡充はごく一部にとどまり、多くの課題が先送りとなった。
  例えば、通報者を解雇したり、降格したりといった報復人事をした企業に対する刑事罰。通報経験者らは導入を強く求めてきたが、報告書の結論は「今後、必要に応じて検討」だった。さらに通報者の特定につながる情報漏れを防ぐため、企業内に設置されている通報窓口の担当者に罰則を伴う守秘義務を課すことも盛り込まれなかった。
  通報者の立場からの切実な訴えはほとんどが置き去りにされた形だ。消費者庁は報告書を踏まえ改正案の取りまとめに入るが、通報者を保護し、それにより消費者の利益を守るという制度の原点に立ち返り、慎重に議論を進める必要がある。
  現行の公益通報者保護法は不利益な扱いから保護する対象を現役の労働者とし、不正の通報先として、まず勤め先を挙げる。行政機関にも通報できるが、その際には不正が「まさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由」が必要となり、メディアや市民団体への通報に至っては、解雇の恐れがある場合などの条件が加わり、ハードルはさらに高くなる。
  こうした条件を満たした通報を理由とする解雇は無効と規定するが、社内で通報を握りつぶされ、閑職に追いやられるなどの例が後を絶たない。東京の精密機器メーカーで07年、上司の不正を社内の窓口に通報した男性は長年担当した営業から外され、配置転換を繰り返された。損害賠償などを求め最高裁まで争い勝訴したが、その後も冷遇され、再び提訴。16年にようやく会社側との和解が成立した。
  報告書は従業員が300人を超える企業と行政機関には内部通報制度の整備を義務付けるべきだとし、退職者や役員も保護の対象に加えることも提言。企業による報復を防ぐ手だてとしては刑事罰によらず、是正を勧告し、従わない場合は企業名を公表するとした。
  通報窓口の担当者の守秘義務を巡っては、企業に秘密保持の態勢づくりを求めるにとどめた。保護の対象を広げるなどの点で「一歩前進」との評価もあるが、通報者が安心して声を上げられるような道筋を示せていないという批判は根強い。
  現行制度の下で不利益な扱いをされた通報者は労働審判手続きを申し立てたり、訴訟を提起したりして裁判所で解決を図る。最終的に解雇や配置転換を違法とする判決を手にしても、元の職場に戻るという「原状回復」を果たせるにすぎない。それまで企業側は何のペナルティーも受けず、不利益な扱いを続ける。
  それをさせないためには刑事罰、あるいは、より強力な行政措置の導入が必要となるだろう。
 


コメント一覧


 

 

©太陽と風と水, 2011/ info@3coco.org  本サイトについて