main menu
サイト内検索
ログイン
ユーザ名:

パスワード:



パスワード紛失

新規登録
OpenIDログイン

OpenIDを入力

mixi Yahoo! JAPAN Google BIGLOBE はてな livedoor エキサイト docomo ID

ツッCOM

切り抜き詳細

熊本日日/2018/12/6 10:05
https://kumanichi.com/column/syasetsu/744684/

水道「民営化」/不安は払拭されぬままだ

 水道事業の「民営化」に道を開く水道法改正案が、5日の参院本会議で与党と日本維新の会、希望の党などの賛成多数で可決された。改正案は今年7月の通常国会で衆院を通過していたが継続審議となっており、6日にも改めて衆院本会議で可決され成立する見通しとなった。
 今回の改正は、暮らしだけでなく生命にも関わるインフラである水道事業の大きな転換点となる。しかし、参院では先月22日に審議入りしたばかりで、これまでの国会審議でも「民営化」への不安が払拭[ふっしょく]されたとは言い難い。慎重な議論が必要ではなかったか。
 水道事業は市町村による経営が原則だが、その先行きは厳しい。人口減少などで家庭用水道の1日当たりの使用量は2000年の約4千万立方メートルをピークに減り続けているからだ。65年には6割程度になると予測されている。
 加えて水道整備が進んだのが高度経済成長期だったため、施設は老朽化。厚生労働省によると、40年の法定耐用年数を過ぎた全国の水道管は16年度時点で約15%にも上り、年間2万件を超える漏水・破損事故が発生している。震度6強程度の地震に耐えられる割合である「耐震適合率」も4割に届いていない。
 しかし、全国の水道事業者の3分の1は水道料金だけでは経費を賄えておらず、こうした老朽化施設の更新もままならない。
 そうした現状を踏まえ、政府が水道事業の経営立て直しのため、自治体の広域連携とともに打ち出したのが「民営化」だった。その柱となるのが水道事業の運営権を民間企業に委託するコンセッション方式の導入で、安倍晋三首相は「民営化ではなく、官民連携の選択肢の一つ」と主張。民間の技術やノウハウでサービス向上や経費削減などが期待できるとしており、宮城県や浜松市など6自治体が導入を検討中だ。
 ところが、海外では「民営化」によって料金が高騰したり、水質が悪化したりしている。オランダの政策研究NGOによると、2000年から16年の間にパリやベルリンなど少なくとも世界33カ国の267都市で水道事業が再び公営化された。こうした海外の失敗例を政府は十分に検証したのだろうか。野党だけでなく、専門家からも「世界の流れに逆行している」と批判が出るのも当然だろう。
 災害時の対応も不安視されている。政府は「災害復旧の最終的な責任は自治体が負う」と説明しているが、民営化によって自治体に専門職員がいなくなれば対応は難しいのではないか。
 コンセッション方式が認められても、人口が少ない地方では採算を取るのは難しい。民間企業が参入する可能性は低く、過疎地の水道事業者を救うための最善策とはなり得まい。ただ、このまま何もしなければサービス維持のために大幅な値上げは避けられない。安全な水を確保し、地域の水道事業を守っていくために、国が積極的に関与し支援するべきだ。


コメント一覧


 

 

©太陽と風と水, 2011/ info@3coco.org  本サイトについて