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陸奥新報/2018/12/6 10:05
http://www.mutusinpou.co.jp/index.php?cat=2&長部さん追悼展「“心の旅”の軌跡を追う」

長部さん追悼展「“心の旅”の軌跡を追う」

 弘前市出身の直木賞作家、長部日出雄さんが10月18日に逝去してからもうすぐ2カ月。文芸誌などでは追悼特集が組まれ、県内の文学関連施設では追悼展が始まっている。
 著書を通じて、津軽の風土と人を基底に日本のルーツにも目を向け探求し続けた長部さん。存命中にもっとお会いし、著書を読んでおけば良かったと後悔している方も多いだろう。逝去を機とするのは本意ではないが、改めて著書やゆかりの人の言葉に触れて、「人間はどこから来て、どこへ行くのか」(長部さん)を問い続けた“心の旅”の軌跡を追ってみたい。
 タウン誌「弘前」最新号(第473号)の追悼特集では、長部さんが同誌に創刊間もない頃から連載した「からくち女性論」(12回)と「振り子通信」(180回)の一部を再掲している。振り子は、東京と津軽の双方に絶えず関心を向け行き来していた自身の例えという。
 「振り子通信」の初回では、弘前出身の直木賞作家という点で長部さんの先輩に当たる今官一の生前全集「今官一作品」を取り上げている。今官一の作品を評した「まさに岩木山とおなじように山脈から離れ、縹渺(ひょうびょう)とした神韻を漂わせて屹立(きつりつ)する独立峰」は、編者・小山内時雄の後記「曙光(しょこう)に輝く新雪の岩木山を仰ぐような、峻厳(しゅんげん)孤高」を意識したかもしれないが、まさしく長部さんならではの表現に映る。
 「自分は岩木山の子である。一生そこを目ざして歩き続ける岩木山の子である」。2013年に弘前市立郷土文学館で開催された直木賞受賞40年記念展で長部さんが寄せた「一生新人」の結びの一文だ。長部さんにとって、岩木山は「心の原点」「最高の羅針盤」だった。同館が現在開催している追悼展の副題「津軽をこよなく愛した岩木山の子」にも反映されている。
 同展では長部さんの事績を著書や写真などとともに紹介しているが、日本のルーツ探求の端緒となったのが、三内丸山遺跡の発掘だったことは改めて感慨深いものがある。初公開となる長部さんのサイン入りハンカチには人柄がにじむ。長部さんが原作・脚本・監督を務めた映画「夢の祭り」の津軽ロケ時のスナップ写真を懐かしく感じる方も多いだろう。
 青森市の県近代文学館でも6日、長部さんの常設展示スペースを拡大した追悼展が始まる。展示スペースに大伸ばしされた長部さんのポートレート写真(サトウユウジさん撮影)の、日本人のルーツに思いをはせているようなまなざしが印象的だ。
 同展では、著書に込められた現代に生きる者へのメッセージにも目を向けてほしい―としている。長部さんの“心の旅”は、われわれ読者のすぐそばを通っていたのかもしれない。


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