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岩手日報/2018/12/6 10:05
https://www.iwate-np.co.jp/article/2018/12/6/30412

水道法改正案/拙速な「民営化」は疑問

 市町村による運営を原則とする日本の水道事業が、大きく変わるかもしれない。先の通常国会で衆院通過後、継続審議となっていた水道法改正案が、きょう6日にも成立する見通しだ。
 改正案は、経営基盤強化へ広域連携を進めるため、都道府県が市町村などによる協議会を設置できるようにするほか、官民連携を促す内容。その目玉とされるのが、水道施設の所有権は自治体に残したままで、運営権を民間に委託する「コンセッション方式」と呼ばれる民営化手法だ。
 政府は、民間の技術や資金力を生かし、運営の効率化が期待できると説明する。
 高度成長期に普及が進んだ日本の水道は、施設の老朽化に伴う漏水や破損事故が各地で発生。人口減による収入源や人員不足で、設備更新もままならない。
 県内の水道網も多くが1970年前後に整備され、法定耐用年数の40年を過ぎた施設は増加の一途。総延長1万1752キロに占める老朽施設の割合は、今年3月末時点で990キロと、10年前から2・3倍に増えている。
 巨額の財政負担がネックとなり、水道網の大動脈である基幹的水道管の耐震化率向上も思うに任せないなど、災害対応にも不安を抱える。国側の危機意識は、全国の自治体に共通するだろう。
 一方で、こうした現状を国民がどこまで分かっているかという点では大いに疑問がある。通常国会で、衆院の審議時間はわずか7時間。国会自体の課題認識の希薄さがしのばれる中で、今国会の参院審議でも国民理解が進んだとは到底認め難い。
 海外の「民営化」先進地では、料金が高騰したり水質が悪化するケースが続発。オランダの研究機関によると、2000~16年の間に、パリやベルリンなど少なくとも世界33カ国の267都市で再公営化されたという。
 今のままでも住民負担増の流れにあるとはいえ、基本的に営利を目的とする民間企業が、命の源である水資源の管理という極めて公共性の高い事業になじむものかという疑念は拭えない。災害などの緊急時対応はもとより、地方にあっては事業効率で地域が安易に切り捨てられないかという懸念もある。
 本県には北上、花巻、紫波3市町が完全な事業統合に踏み切ることで過剰施設を減らし、コスト削減や稼働率向上を実現した岩手中部水道企業団のような実践例がある。
 国が奨励するからと、拙速に「民営化」に走っては禍根を残しかねない。行政と住民が「おらが水道」の現状を理解し、将来課題を共有する。そうした取り組みを拡充しつつ、議論を深めていきたい。


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