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奈良日日新聞/2018/11/9 12:06
http://www.naranichi.co.jp/20181109is538.html

悩める教師/「人間力」養う教育を

 小学5年の3学期だったと記憶するが、当時担任だった教師が室生ダムに入水し、自殺した。雪が降る室生村(現宇陀市)までクラス全員で葬儀に行った記憶がわずかに残る。
 このほど、この話を教職OBの方とする機会があった。その方はその教師の妻(妻も教員だった)に相談され、一緒に捜索したそうだ。そして、その教師が当時、組合活動で悩んでいたとの話を聞かされた。
 記憶の限りでは、とても熱心な先生で、われわれ子どもにすごく寄り添ってくれる先生だった。当時は「学年主任ともめた」など、根も葉もないうわさが流れたものだ。
 なんの因果かと思うことが続く。本来、小学校教師は1〜2年、3〜4年、5〜6年と2年ずつ担任を受け持つ。小学5年の時の担任は本来であれば6年も受け持つが亡くなったため、6年時には新たな担任がわれわれのクラスを受け持つことになったわけだが、小学校卒業以来、会うことのなかった同担任と今年ばったりと出会ったのだ。奈良市内の校長まで務め、現在は嘱託教諭をしているという。
 PTSD(心的外傷後ストレス障害)が注目を集めるようになったのは、阪神淡路大震災以降であり、当時はまだそういった意識もなかったかも知れないが、当該教師はつとめて明るくわれわれに接してくれた。日々ギターを抱え、帰りのホームルームではいつも歌を歌い、われわれに笑顔を与えてくれていた。結果、心的外傷などで休校する児童は一人もおらず、皆きちんと卒業することができた。次回、小学校の同窓会がある時には、ぜひ参加していただき、酒をくみ交わしながら、当時の話をしたいものだ。
 今号で報じた通り、うつ病などの「精神疾患」で休職する公立学校の教員は近年、全国で約5000人に上り、県内でも毎年40人前後が休職。厚生労働省の30年版「過労死等防止対策白書」では、教員の約8割が「業務に関連するストレスや悩みを抱えている」と回答しており、毎年40人の県内休職者は氷山の一角に過ぎない。
 近年では、いじめや不登校、学級崩壊など、学校現場を取り巻くさまざまな問題が相次ぎ、さらにこれら事案を招くことによる保護者との関係もあり、教師が抱えるストレスは年々増え続けている。問題となっている長時間労働や休日の少なさがこれ以上続けば、休職または辞職者がさらに増えかねない。
 インターネットの急速な普及による情報社会の中で、コミュニケーション不足が指摘される。いじめや不登校といった問題もコミュニケーション不足に起因する部分も多い。インターネットに依存しすぎた中で、人間関係の希薄化が加速し、授業ができない▽生徒指導ができない▽人間関係がうまくできない―教師も増えているように思う。
 悩みを抱え亡くなった担任と、担任の自殺というストレスを抱えそうなクラスを支え続けた担任。コミュニケーションというひとくくりでは言えない部分もあるが、両者に「人間力」の重要性を教わった気がする。情報化社会の今こそ、「人間力」を養う教育が求められる。


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