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東奥日報/2018/11/9 10:05
http://www.toonippo.co.jp/articles/-/112048

見直し含め合意形成を/入管法改正案

 国会は、2018年度補正予算が成立し、中盤の論戦に入った。序盤の与野党攻防の大きな争点になったのは、外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法改正案だ。
 深刻な人手不足に対応するために、認めてこなかった単純労働の分野まで道を開くという、この国の姿に関わる政策転換である。にもかかわらず、ここまでの審議で、政府側は野党の疑問や懸念に十分に答えることができず、法案の不備ばかりが目立ち、むしろ「生煮え感」が強まった。
 対象となる業種や人数も正式に定まっていない。日本語教育の充実や生活支援など、外国人受け入れに不可欠な教育、社会保障、税制といった分野の環境整備の制度設計も後回し。長時間労働や低賃金など人権侵害が指摘される現行の技能実習制度を並立させることに対する納得できる説明もなかった。
 これから同改正案の本格審議が始まる。旧民進党系の野党3党派でつくる「外国人の受け入れと多文化共生社会のあり方を考える議員連盟」は、政府案の“対案”をまとめた。外国人労働者の拡大は避けられないと認識している野党議員も少なくない。
 ならば国会で政府案の欠陥や足りないところを徹底的に論議すればいい。期限を切らずに、真の「共生社会」を構築していけるよう、政府案の抜本的な見直しを含め合意形成へ努力を尽くす。それが「熟議」と呼ぶ立法府のあるべき姿であり、改正案への対応は試金石となる。
 来年4月スタートという日程ありき、与党の数で外国人労働者に日本へ来てもらう法律を取りあえずつくれば、さまざまな課題は成立後に省令など政府の一存で決めていけばいい、と考えているのだとすれば、浮かび上がるのは国会軽視という姿勢だろう。
 安倍晋三首相をはじめ政府側には野党の意見に耳を傾ける謙虚さと度量、野党側にも具体的な提案力が欠かせない。首相は所信表明演説で「長さゆえの慢心はないか。そうした国民の皆さまの懸念にもしっかり向き合っていく」と約束したのだから、まずはそれを行動で示してもらいたい。
 7月の通常国会閉幕後に、国民の負託に応える立法・行政監視活動を果たすよう求めた大島理森衆院議長の所感を真摯(しんし)に受け止め、実践していけるのか。国会の復権が試されている。


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