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佐賀新聞/2018/10/11 6:05
http://www.saga-s.co.jp/articles/-/287292

「論説」議員のなり手不足 議会は住民自治の根幹/

地方自治の根幹を揺るがす事態だ。人口減少、少子高齢化が進む小規模な市町村で地方議員のなり手不足が深刻化している。2015年の統一地方選で改選された町村議会のうち、無投票は24%に上った。佐賀県内でも今年4月の神埼市議選をはじめ、合併後の現行の市町議会になってから11回も無投票選挙を経験した。
 総務省は昨年7月、小規模市町村の議員のなり手不足に関し、有識者8人による研究会を発足。3月に打開策となる報告書をまとめたが、地方からは不満の声が上がっている。
 報告書の肝は新たな二つの議会の類型を示したことだ。「多数参画型」は本業を別に持つボランティア的な議員で構成し、報酬も副収入とみなす。仕事量や権限も減らし、議会は夜間や休日が中心。もう一つの「集中専門型」は3~5人程度の専業の議員で構成し、生活給水準の報酬を与える。多様な民意が反映されないという懸念に対しては、裁判員のように抽選で「議会参画員」を選び、議員を補完する。
 一見、現実的な提案にも思えるが、有識者研究会の委員だった山梨学院大学院の江藤俊昭教授(政治学)は「国から地方への『押し付け』であり、議事機関の役割を果たせなくなる」と批判する。
 二つの類型は、権限や報酬、運営など7要素からなるが、「報告書の最終ページにこれらは『不可分のパッケージ』と記している」と江藤教授。つまり、どちらかの類型を選択すると、現在は地方議会が自由に選べる各要素をパッケージとして押し付けられるのだ。二つの類型の間には地方の実情に応じたいくつもの形があるはずだ。中央集権的で地方分権の流れに逆行していないか。
 さらに言えば、多数参画型は多様な意見を取り込めるが、夜間や休日の議会で十分な審議ができるだろうか。議決対象から契約、財産の処分を外すというが、森友学園のような問題に十分な監視機能を発揮できず、首長主導の追認機関になりかねない。集中専門型も特定の名士だけの議員になれば、首長と近すぎるか、逆に激しく対立してしまう。どちらの類型も議会の役割を弱体化させ、二元代表制を危うくする可能性をはらむ。今後、政府は7月に発足した首相の諮問機関「地方制度調査会」で2年以内に具体案の答申を受ける方針だが、拙速は許されまい。
 議員のなり手不足には「ならない」と「なれない」の二つの要因があると江藤教授は指摘する。「ならない」のは議員に魅力がないからだ。地方分権で活動量が増えているのに報酬が少なく、住民の議会への不信感も根強い。「なれない」のはこれまで議員を送り出してきた地域コミュニティーや自営業、農業の衰退も一因だろう。
 先進的な改革に取り組む長野県飯綱町議会は町民50人を、議会報「議会だより」モニターに選び、意見を活動に反映させている。このように議会の応援団を増やしながら、住民が関心を持てる、住民自治の根幹としての議会を作動させる以外に、なり手不足の処方箋はない。共同通信が6~8月、全国の地方議会議長に実施したアンケートでは佐賀県内20市町の議長のうち、半数を超える6市6町がなり手不足を感じると回答した。来年の統一地方選は議会の在り方を考える選挙になる。(栗林賢)


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