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桐生タイムス/2018/10/2 16:05
http://kiryutimes.co.jp/editorial/15202/

科学者の言葉に触れる

 今年のノーベル医学生理学賞に、京都大学特任教授の本庶佑さん(76)が選ばれた。授賞理由は「免疫抑制の阻害によるがん治療法の発見」。未知なる自然と謙虚に向き合い、推論を立て、試行錯誤しながら発見にたどりつく。科学のニュースとは地道な人の営みそのものだ。
 長寿社会が到来した日本で死因の第1位を占め続けるがんだが、かつて〝不治の病〟と呼ばれた病気に対するイメージは、新しい治療法や新薬の開発、早期発見・治療の意識変革などによって着実に変わりつつある。
 がんだと分かっても絶望することなく病気と向き合い、希望を持ち続けることができるのは、本庶さんのような研究者の地道な取り組みの功績である。
 人間のからだに細菌やウイルスが侵入したり、がん細胞が発生したりすると、免疫細胞のリンパ球は、それらを異物だとみなして攻撃する。ただ、免疫が誤って暴走すると、正常な組織まで攻撃して破壊する恐れもあるので、リンパ球は、相手が敵か味方かを判断して、味方だと分かれば攻撃を抑制するブレーキ機能も併せ持っている。
 本庶さんたちの研究グループは、免疫の働きにブレーキをかける分子を発見し、PD―1と名付けた。がん細胞は、リンパ球の表面にあるこの分子に働きかけ、味方だと思わせることで、がん細胞に対する免疫の攻撃力を抑制させていたのだ。
 免疫の攻撃能力をいくら高めても、治療効果が上がらなかった理由はそこにある。PD―1をブロックしよう。製薬会社が治療薬の開発を進めた。こうしてできたオプジーボと呼ばれる薬は今、多くのがん患者やその家族に希望をもたらしている。
 会見で本庶さんは、喜びの言葉とともに研究への基本姿勢を語った。大切なのは知りたいという好奇心と、簡単には信じない心。自分の目で確かめ、納得すること。権威あるサイエンスやネイチャーに掲載される論文でも、9割はうそだという。
 大勢の人が歩む道や権威の裏打ちが、必ずしも正確さを保証しないのだということを、科学者の声は伝えている。
 情報社会の中、あまたの情報から何を基準に取捨選択するか悩むときも多い。後悔することもある。自分で観察して確かめ納得する。そんな科学的な姿勢への努力こそが、今の暮らしの中で欠けているものなのかもしれないと、改めて思うのだ。


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