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桐生タイムス/2018/9/25 16:05
http://kiryutimes.co.jp/editorial/15185/

祈りでやりすごせぬもの

 火星の大接近にブルーインパルスの飛行と、この夏以降、空を見上げる機会が増えている。
 つい先日は、宇宙航空研究機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」から2台の小型探査ロボットが投下され、小惑星リュウグウの表面に無事着陸したと報道があった。今後は小惑星の表面を跳びはねながら移動し、水や有機物の探査を進め、太陽系の起源と進化の謎に迫るのだという。空の向こう、宇宙からの楽しみな便りだ。
 空が気になる理由は他にもある。記録的な猛暑や大雨、南海上の熱エネルギーをたっぷり抱えて列島を襲う台風と、不穏な天候も要因だ。災害はいつ起きてもおかしくない。大過なくやり過ごせるようにと、祈るような心持ちで眺めている。
 菱公民館で以前開講された自分史講座をまとめた1冊「郷土に生きて」の中に、伊藤熊太郎さんが雨乞いの儀式の体験談を記している。農業従事者の多かった戦前、水の管理は何よりも大切で、日照りが続けば誰とはいわず雨乞いをしようとなり、近くの雷電山に登ると、黒い煙の出る松の枝などを燃やしてのろしを上げ、夜も眠らずに太鼓をたたいたのだという。
 どこかで雨乞いが始まると、あちこちの雷電山からも黒い煙が上った。いまは水道山の名称で親しまれる桐生の雷電山からも煙が立ったのだと、伊藤さんは記している。一緒に祈ればそれだけ効果があると信じられており、山のない境野村からは激励の酒が届けられた。風習は1950年まで続いたというからそれほど昔のことではない。
 人知を超えた自然のふるまいには、祈ることで対処する。神様を通じて自然に働きかけながら、同時に自分たちの不安な気持ちを静めるといった効能もあったのだろう。科学では解決できぬ災いへの、積極的な対処の仕方といっていいはずだ。
 9月上旬、横田基地に配備されたオスプレイと思われる機体が、桐生みどり地域の上空を飛んだ。高い事故率が懸念され、沖縄の米軍基地への配備で問題になった機体である。 
 自民党総裁選で安倍首相は3選を果たし、今週末には沖縄県知事選が投開票を迎える。総裁選も沖縄県知事選も、私たちの日常から距離を感じてしまいがちだが、オスプレイの機影がその距離を縮める。自然現象ではなく人が生み出す不安なればこそ、無関心ではいられない。


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