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宮崎日日/2018/9/14 8:05
http://www.the-miyanichi.co.jp/shasetsu/http://www.the-miyanichi.co.jp/shasetsu/_34432.html

就活ルール廃止提案

◆学業への支障を軽視するな◆
 財界トップの中西宏明経団連会長は、大手企業の採用活動の日程を定めている経団連指針を2021年卒業の学生から廃止すべきだとの考えを示した。閣僚や大企業の経営者から指針廃止に一定の理解を示す発言が相次いだことから、廃止に向けた議論が加速しそうだ。現在の就活ルールが形骸化しているのは事実だが、競争激化で学業への影響が心配される。日本型雇用全体の変化につながる可能性もある。企業の都合を優先して学生を置き去りにしてはならない。慎重な議論を求めたい。
採用の前倒しは必至
 提案通りに就活ルールが廃止されると、20年に大学4年生となる現在の2年生からが対象となる。採用活動の自由化により、企業が採用活動の前倒しをするなど競争が激しくなるのは確実だ。20年は東京五輪・パラリンピックの開催で会社説明会の会場が不足することが背景にあるとみられ、提案の唐突さは否めない。
 経団連の採用指針は学生の学業への影響を考慮し企業の足並みをそろえるのが狙いだが、罰則はない。ルールを守らない企業が少なくない上、しばしば変更され、学生は翻弄(ほんろう)されてきた。現在の指針は17年の卒業生から始まり、会社説明会の解禁を大学3年生の3月1日、面接や筆記試験の選考活動を4年生の6月1日、正式内定を10月1日の解禁と定めている。
 指針は有名無実に近くなっているのが実態だ。経団連の会員企業でも、解禁前から実質的な採用活動に入り、内定を出す動きが目立つ。加盟していない外資系企業などは当然、早い時期から採用活動を始めて人材を獲得している。このため、会員企業からはルールの撤廃や大幅な見直しを求める声が出ていた。中西氏の提案は企業の意向を優先させた印象が強い。
中小企業に目配りを
 だが、廃止されるとなれば、これまでのルール変更とは次元が異なる。最も懸念されるのは、学業への支障が大きいことだ。今でも4年生の6月は通常の授業期間だ。3年生時のインターンシップ(就業体験)が選考活動の入り口という企業もある。これが2、3年生から始まれば、学生は勉強どころではなくなるだろう。
 学業への影響を軽視してはならない。就活ルールを廃止するなら、経団連は学業に関する懸念に応える方策を検討するべきだ。例えば、授業のある平日には採用活動を行わないなど、ルールを決めるのは一考に値する。
 学生に人気の大手企業が通年採用に乗り出せば、中小企業の人材獲得はますます困難になることも考えられる。中小企業への目配りも忘れてはならない。
 新卒一括採用や終身雇用を柱とする日本型雇用慣行を見直すきっかけになるかもしれない。経団連は大手企業だけではなく、学生や大学関係者、中小企業などの声を幅広くくみ上げ、議論を進めるべきだ。


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