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熊本日日/2018/6/13 10:05
https://kumanichi.com/column/syasetsu/510292/

米朝首脳会談/共同声明は具体性に欠ける

 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩[キムジョンウン]朝鮮労働党委員長は12日、シンガポールで史上初の米朝首脳会談に臨んだ。会談後に署名した共同声明で正恩氏は朝鮮半島の完全な非核化を約束。トランプ氏は北朝鮮に安全の保証を確約し、両国は半島の永続的な平和の構築に向けて尽力することを確認した。
 これまで反目し続けていた米朝の指導者が、信頼構築への第一歩を踏み出したことは意義深い。だが、米朝交渉は裏切りの歴史だったことを忘れてはなるまい。非核化に向けた合意は過去に幾度も結ばれたが、北朝鮮は対話と挑発の瀬戸際外交を繰り広げて核・ミサイル開発を継続。合意はいずれも白紙となっている。
 トランプ氏は「完全な非核化には技術的に長い時間がかかる」としたが、共同声明はあまりにも具体性に乏しい。北朝鮮は、核開発につながるウラン濃縮やプルトニウム抽出の停止、米国や国際原子力機関(IAEA)による核関連施設の査察受け入れ、開発済み核兵器の国外搬出や廃棄など具体的な行動を加速させ、国際社会を納得させる必要がある。
 失敗繰り返す懸念
 会談に先立ち、米側は「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」を掲げ、核廃棄の先行を主張していた。これに対し、北朝鮮は核・ミサイル実験の停止や核実験場廃棄を表明しつつも、核兵器廃棄には踏み込まずカードを温存してきた。
 非核化と引き換えに行う“見返り”についても、米側は体制保証や経済支援の用意を表明しながら、経済制裁の緩和やテロ支援国家の指定解除は「非核化の完了後」との方針を堅持。一方、北朝鮮は非核化の行動を取るごとに見返りを得る「段階的措置」を求めた。
 こうした中、トランプ氏は地道に事前折衝を積み上げる外交慣例を無視し、「気合」重視の交渉術で非核化の約束を取りつけた。その一方で共同声明にCVIDの文言はなく、非核化実現の手順や期間などに関する具体的な言及もなかった。これでは、時間稼ぎを許した過去の政権と同じ失敗を繰り返すのでは、との懸念は消えない。
 会談のテーマは朝鮮半島における恒久的な平和体制の構築にも及び、休戦状態にある朝鮮戦争(1950~53年)の終結も検討した。終戦宣言は4月27日の南北首脳会談で署名された「板門店[パンムンジョム]宣言」にも明記されており、北朝鮮は平和協定の締結による在韓米軍撤収を求めている。
 拉致提起はしたが
 この点について、トランプ氏は「現時点では在韓米軍の削減は考えない」としながらも、米朝対話が続く間は米韓合同軍事演習を中止する意向を表明した。アジア太平洋に前方展開する在日米軍の態勢にも影響する可能性がある。
 日本が最重要課題と位置付ける日本人拉致問題については、共同声明での言及はなく、トランプ氏が「問題は提起した。今後取り組んでいく」と説明するにとどまった。安倍晋三首相は「感謝する」としたが、期待が大きかっただけに踏み込み不足の感は否めない。
 全ての大量破壊兵器と、日本の脅威となる「中距離」を含むあらゆる射程の弾道ミサイルの完全放棄を定めた国連安全保障理事会決議の履行についても、具体的な進展はなかった。
 問われる外交戦略
 北朝鮮に完全な非核化を実現させるためには、今後も日米韓の結束を維持する必要がある。だが、北朝鮮に融和的な韓国と、拉致問題を抱え圧力を維持したい日本の間には温度差もある。日本は拉致問題解決のためにも、米朝の国交が正常化し北東アジアの冷戦構造が大転換する可能性を念頭に、これまで以上に周到な外交戦略を練るべきだ。


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