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桐生タイムス/2018/6/12 16:05
http://kiryutimes.co.jp/editorial/14948/

家族のかたちを考える

 今年のカンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した是枝裕和監督の映画「万引き家族」の劇場公開が始まり、話題を呼んでいる。2015年公開の映画「海街diary」では、わたらせ渓谷鐵道の足尾駅でもロケーション撮影が行われ、ささやかながらもこの地との縁が生まれた監督の活躍ぶりに、一市民として喜びを感じてもいる。
 受賞を機にメディアに登場する機会が増えた分、監督の言葉を耳にする機会も多くなった。中でもラジオ番組で語られたあるエピソードが、印象に残る。
 監督が取材で児童養護施設を訪れた際、保護者の虐待を逃れて施設で暮らしている女児に出会った際の思い出である。
 何を勉強しているのという問いに、女児は国語の教科書を取り出し、その中の物語を読んで聞かせてくれた。読み終えた後、監督たちが送った拍手に、女児はにっこりとほほえんでみせた。受賞後、取材を受ける中で、今回の映画はこのときの少女にささげられたものなのだと、改めて気づかされたという。
 変貌するさまざまな家族のかたちをテーマに、これまで映画という手法を駆使して小さな物語を紡いできた監督である。血縁だけではなく、外部からは見えないつながりや暮らしぶりが家族を成り立たせているケースも決して少なくない。普段は気づかないかもしれないが、家族になろうとするお互いの意志が作用しているからこそ、かたちが保たれているともいえる。
 新幹線の中で、22歳の男が刃物で女性に切りつけ、止めに入った38歳の会社員の男性が命を落とした。無差別で他者を狙ったいたましい事件であり、その身勝手さに怒りも覚えるのだが、一方で、どうして人を襲うまでに至ったのか、犯人の生い立ちや心の動きも気になる。
 6月5日には東京都目黒区で、5歳の女児を虐待したとして女の子の父親と母親が逮捕されている。両親に向けて必死に許しを乞う女児の文章がいたたまれない事件なのだが、こうした報道に触れながら思うのは家族や社会のありようである。
 子どものみならず、家族というものが互いに支え合う安全装置の役割を果たしているとすれば、その装置がなくなったとき、絶望せずに済むような、命を落とさずに済むような、そんな個人の強さや人のつながりが、どうすれば生まれるかと、問いかけられているようだ。


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